2020年夏に登場して注目を浴びたソニーの「REON POCKET(レオンポケット)」は、本体の一部を首元に接触させて冷感・温感を得るウエアラブルサーモデバイスだ。21年4月には冷却性能を向上させた後継モデルを発売し、勢いを増している。さらに今回、ゴルフアパレルで人気のブランドとも提携。背景にあるのは「省エネ志向」だった。
省エネ志向がパーリーゲイツを動かした
ソニーは冷却効果を約2倍に高めた「REON POCKET 2(レオンポケット 2)」を2021年4月22日に発売した。それに併せて7月1日、ゴルフアパレルブランドであるTSI(東京・港)の「PEARLY GATES(パーリーゲイツ)」が、レオンポケット専用のウエア「PG BASIC INNER×REON POCKET」を投入。公式オンラインショップでの価格は3万800円(税込み、以下同)。このウエアはレオンポケット 2本体(ソニー直販サイトの価格は1万4850円)を同こんした、いわばセット販売だ。
今回のコラボについて、レオンポケットの開発に携わるソニーの伊藤健二氏は「新型コロナウイルスの感染拡大がレオンポケットとゴルファーの結び付きを強くした」と話す。
「ソニーのクラウドファンディングサービスからローンチしたレオンポケットは、当初ガジェット好きの方々に歓迎された。20年7月1日に一般販売を開始してからは、関心を持つ層が次第に広がり、特にゴルファーから強い引き合いがあった。新型コロナ下でも感染対策を十分に行えば、屋外で楽しめるレジャーとしてゴルフが注目されるようになり、暑さ対策に最適ということでレオンポケットへの関心が集まったようだ」(伊藤氏)
レオンポケットは発売当時、ソニーが開発した薄手の専用インナーウエアを着て、ウエアの首元に設けられたポケットにデバイスを差し込んで使わなければならなかった。その後、専用インナーウエアを着なくてもレオンポケットが使えるようにしてほしいという要望もあり、21年春に専用アクセサリーとして「ネックバンド」を発売(関連記事:「ソニーの『着るクーラー』が進化 専用下着がなくても装着可能に」)。専用インナーウエアは男性用サイズしかなかったが、ネックバンドの発売後はレオンポケットに関心を寄せる女性層も増えているという。
確かに手軽に冷感が得られるレオンポケットは、真夏でもプレーを楽しむゴルファーからのニーズは想定内だろう。だが「専用インナーウエアは、ゴルフの動作とあまり相性が良くないという意見が多く寄せられていた」と伊藤氏。そこでレオンポケット 2の発売以降はアパレルブランドとのコラボ展開を加速。デサントやESTNATION(エストネーション)、EDIFICE(エディフィス)といったブランドから、レオンポケット対応ウエアの発表が相次いだ。パーリーゲイツもそうしたブランドの中の1つだ。
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