カメラ性能が「Pro」に匹敵するiPhone 12

 アップルは直販サイトでSIMロックフリーのiPhone 12シリーズを販売している。注目はストレージが64GBのiPhone 12は8万5800円(税別、以下同)、iPhone 12 miniは7万4800円と、お手ごろ価格で購入できる5G対応スマホである点だ。

 国内では春から大手通信キャリアが5G対応のモバイル通信サービスを開始している。既に中国や韓国の端末や、国内ではシャープが5G対応で10万円を切る5Gスマホを送り出して話題を振りまいている。20年10月にはグーグルも5G対応で10万円を切る新しいPixelシリーズを発売したばかりだ(関連記事:手ごろな高級機 グーグル「Pixel 5」は5Gスマホの定番になるか)。

 今後5Gサービスの普及を後押しするのは、恐らく10万円を切るミドルレンジ価格帯のスマホだろう。そこにアップルがしっかりとハイスペックで、なおかつ値ごろ感のあるiPhone 12とiPhone 12 miniを投入してきたことで、5Gの普及に弾みが付きそうだ。

 発表後から注目されるiPhone 12 miniは、コンパクトサイズのスマホ人気が高いアジアと欧州の市場で引き合いが強くなると思われる。5Gスマホは高速通信時にモデムから発生する熱の処理と、これに伴う駆動時消費電力の効率化が当面の課題とされている。特に前者については筐体(きょうたい)が大きいほうが、放熱処理のための内部構造が工夫しやすくなる。にもかかわらず、あえて「世界最小サイズの5Gスマホ」としたことでアップルの技術力をアピールすることが、iPhone 12 miniを投入する1つの狙いなのだろう。

 ハイスペックな2つのiPhone 12 Pro/Pro Maxは、アップル製品の熱烈なファンや最先端のガジェットを好むコア層のハートをしっかりつかむだろう。ただビジネスパーソンにとって最もお買い得なモデルは、機能面で「Pro」に肉薄するiPhone 12だ。

全ての機能がハイレベルでバランスのとれたiPhone 12がビジネスパーソンにお薦め
全ての機能がハイレベルでバランスのとれたiPhone 12がビジネスパーソンにお薦め

 何よりiPhone 12はカメラの出来が非常に優秀だ。特に開放絞り値がF1.6という、iPhone 12 Proと同じ明るいレンズを搭載した広角カメラでは、明るい場所と暗い場所の両方で精細感のある色鮮やかな写真が撮れる。最も使用頻度の高い広角カメラの底力が一段上がったことにより、ビジネスシーンで必要とされる写真や動画の記録はデジタルカメラを持たなくてもiPhone 12で事足りてしまうだろう。

iPhone 12は望遠カメラを搭載していないが、明るくなった広角レンズカメラのパフォーマンスはiPhone 12 Pro/Pro Maxに肩を並べるレベル
iPhone 12は望遠カメラを搭載していないが、明るくなった広角レンズカメラのパフォーマンスはiPhone 12 Pro/Pro Maxに肩を並べるレベル
左がiPhone 12、右がiPhone 12 Proで撮影した写真。どちらも自然な明るさと色合いのバランスを実現している
左がiPhone 12、右がiPhone 12 Proで撮影した写真。どちらも自然な明るさと色合いのバランスを実現している