シャープ「AQUOS サウンドパートナー AN-SS2」は首にかけて使うワイヤレススピーカーだ。家事をしながらテレビの音声を聞いたり、スマホやPCと接続して仕事をしながら音楽鑑賞や通話をしたりといった“ながら利用”に向く。人気を得た従来モデルの良さを引き継ぎ使い勝手を向上させた。

シャープ「AQUOS サウンドパートナー AN-SS2」。首にかけて使うワイヤレススピーカーで、テレビと接続するためのBluetooth送信機が付属する。カラーバリエーションは4色。実勢価格は1万7000円前後(税込み)
シャープ「AQUOS サウンドパートナー AN-SS2」。首にかけて使うワイヤレススピーカーで、テレビと接続するためのBluetooth送信機が付属する。カラーバリエーションは4色。実勢価格は1万7000円前後(税込み)

際立つ軽さ、首にかけても違和感は少ない

 シャープが2020年7月に発売した「AQUOS サウンドパートナー AN-SS2」(以下、AN-SS2)を身に着けて、まず感じるのは“軽さ”と“細さ”だ。首にかけて使うウエアラブルスピーカーは各社から発売されているが、約88グラムのAN-SS2はそれらの中でも最軽量クラス。細身で首にかけても違和感が少なく、首や顔に当たって煩わしく感じることもない。しばらくすると身に着けているのを忘れてしまうほど。製品中央部が柔軟な構造になっていて曲げられるので、着け外しも楽にできる。

本体は軽く細いので、首を回しても顔に当たったり、首に引っかかるようにまとわりついたりすることがない。楽に長時間身に着けられる
本体は軽く細いので、首を回しても顔に当たったり、首に引っかかるようにまとわりついたりすることがない。楽に長時間身に着けられる
中央部分は柔軟なつくりになっている。軽い力で押し広げることができ、着脱が楽にできる
中央部分は柔軟なつくりになっている。軽い力で押し広げることができ、着脱が楽にできる

 スマホやPCなどとの接続はBluetoothで行う。テレビとワイヤレス接続するためのBluetooth送信機が付属するので、テレビの音を耳元で聞く“お手元スピーカー”としても利用できる。バッテリー駆動時間は約16時間で、フル充電すれば朝から晩まで使ってもバッテリー切れの心配はまずいらない。

テレビと接続して、テレビの音を耳元で聞くスピーカーとして利用できる。テレビとワイヤレス接続するためのBluetooth送信機と接続ケーブル、充電ケーブルなどが付属する
テレビと接続して、テレビの音を耳元で聞くスピーカーとして利用できる。テレビとワイヤレス接続するためのBluetooth送信機と接続ケーブル、充電ケーブルなどが付属する

 AN-SS2は従来モデルの「AQUOS サウンドパートナー AN-SS1」(以下、AN-SS1)とほぼ同じサイズと軽さで、使い勝手や音質を向上させている。18年11月に発売されたAN-SS1は当初想定の月産1万台を上回り、グローバルで累計22万5000台(20年3月末時点)を出荷する人気製品だ。シャープ TVシステム事業本部 オーディオ事業部 商品企画部の永沼広行主任は、AN-SS1が人気を呼んだ理由を「軽さと装着感が良く、ながら聞き利用に向いているから」と説明する。

 ウエアラブルスピーカーの需要は全体的に増えており、ユーザーは音楽や映画などをじっくり鑑賞する“没入派”と、何か作業をしながら聞く“ながら派”に二極化している。そうした中、「特に増えているのは“ながら派”。AN-SS1は軽量で装着感がよく、バッテリーで長時間利用できるため、何か作業をしながらテレビやスマホの音声を聞くといった、ながら聞きで使う人が多い。AN-SS2も、AN-SS1と同じかそれ以下の重さにすることにこだわった」と永沼氏。

 シャープはテレビやスマホ、PCに接続して使うことを想定している。テレビに接続すれば、前述のようにテレビの音声を耳元で聞けるスピーカーとして使える。テレビ音声が聞き取りづらくなった高齢者だけでなく、静かな深夜にテレビを見たいときや、家事をしながらテレビの音声を聞きたいときなどに便利だ。中でも「台所での洗い物など水場で家事をしながら使っているユーザーが多い」(永沼氏)ため、AN-SS2ではIPX4相当の生活防水に対応した。ぬれた手で操作でき、水しぶきがかかっても安心。スマホに接続すれば、ワイヤレスヘッドホンのように作業をしながら音楽を聞ける他、搭載しているマイクを使って通話も可能だ。

マイクを内蔵し、スマホの通話やPCでのWeb会議に利用できる
マイクを内蔵し、スマホの通話やPCでのWeb会議に利用できる

 AN-SS1は、20年3月ごろから新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるテレワーク需要で販売数が伸びたという。

 「PCと接続してビデオ会議で利用する人が増えている。ヘッドセットと違って髪形が崩れないため、テレワークに使いたい女性からの評価も高い。ワイヤレスで外すことなくPCの前から離れられるため、つまみや飲み物を取りに行くことのあるオンライン飲み会で利用する人も増えている」(永沼氏)。まさに「withコロナ時代のパーソナルスピーカー」といったところか。軽いAN-SS2でも、同様の需要が期待できそうだ。

操作性を改良 人の声を聞き取りやすく

 AN-SS1から大きく変わったのが操作性だ。AN-SS1はボタンがアーム部分の側面や上面などあちこちにあり、押し込んで左右に動かすジョグボタンも付いている。AN-SS2ではボタンをアーム先端の側面に集め、ジョグボタンをなくした。首にかけた状態で操作するときはボタンを目で見ることができないが、使い比べてみるとAN-SS2の方が指先でボタンを判別しやすく、操作を間違えにくい。

ボタンはアーム部分先端に集められている。ボタンの形が異なるので、指先で判別して間違えずに操作できる。AN-SS1にはなかったBluetoothボタンが追加され、ペアリングの操作が分かりやすくなった
ボタンはアーム部分先端に集められている。ボタンの形が異なるので、指先で判別して間違えずに操作できる。AN-SS1にはなかったBluetoothボタンが追加され、ペアリングの操作が分かりやすくなった
ボリュームボタンは+側に突起が付いていて、指先で判別できるようになっている
ボリュームボタンは+側に突起が付いていて、指先で判別できるようになっている

 スピーカー部分も改良されている。音は低音~中音域が痩せた感じで高音域のシャリ感があり、高音質とは言い難い。AN-SS1と同じく、静かな場所でじっくり音楽鑑賞するといった用途には向いていないだろう。しかし内部構造を工夫したことで音が耳に届きやすくなっており、聞き取りやすくなっている。サラウンド感も向上し、テレビや動画鑑賞に使うと臨場感が感じられるようになった。

 本体のCLEAR VOICEボタンを押すと、人の声が強調されるのも特徴だ。料理や洗濯をしながらテレビ音声を聞いてみたが、このボタンを押すと、それまで換気扇や洗濯機の音にかき消されていた声が聞き取れるようになった。

 「AN-SS1のユーザーから、テレビの音をより聞きやすくしてほしいという要望があり、スピーカーの改良やCLEAR VOICE機能を搭載した」(永沼氏)という。これらはスマホと接続して通話に使うときや、PCと接続してWeb会議で使うときにも便利だろう。

スピーカーは小さいが、内部構造を工夫することで装着者の耳に音が届きやすくなっている
スピーカーは小さいが、内部構造を工夫することで装着者の耳に音が届きやすくなっている

 AN-SS2は軽量コンパクトというAN-SS1の良さはそのままに、生活防水対応、操作性の改良、CLEAR VOICE機能などで使い勝手が向上している。コロナ禍でテレワークが浸透し、自宅でテレビや動画を鑑賞する時間が増え、仕事や家事をしながら各種デバイスからの音声を聞く“ながら聞き”需要はますます高まるだろう。AN-SS2はそのニーズにマッチした製品と言えそうだ。

(写真/スタジオキャスパー)