スペックか、それともおしゃれか

 18年秋、アラミド100%の素材を業界で初めて採用したTAKIBI Vestは、瞬く間に完売した。スノーピークユーザー限定のキャンプイベントでは、来場者から「買えなかった」とお叱りを受けたこともあったという。その反省を踏まえ、19年度からは生産数を拡大。今でも人気カラーはサイズによって欠品が発生することもあるそうだが、供給体制は安定してきている。

 現在TAKIBI Vestで使用している素材は大きく2種類ある。「アラミド100%素材のものと、カネカロン糸を織り込んだもの。前者は難燃性にこだわったエクスクルーシブなモデルで、後者は天然素材の質感を楽しみたい人へ向けた、よりファッション性の高いラインとなっている」と菅氏。

20年秋シーズンよりリニューアルした「TAKIBI Denim Vest」。写真のインディゴとブラックの2色展開。3万7400円
20年秋シーズンよりリニューアルした「TAKIBI Denim Vest」。写真のインディゴとブラックの2色展開。3万7400円

 20年秋の新作は、丈夫で目が密になった平織り物素材を使った「TAKIBI Duck」と人気のデニムシリーズをリニューアルした「TAKIBI Denim」の2種類。どちらも街着として合わせやすい見た目だ。また「TAKIBI Denim」には今季から待望のキッズサイズも登場した。

武骨なイメージのダック生地に難燃糸カネカロンを織り込んだ「TAKIBI Duck Vest」。オリーブとベージュの2色展開。3万7400円
武骨なイメージのダック生地に難燃糸カネカロンを織り込んだ「TAKIBI Duck Vest」。オリーブとベージュの2色展開。3万7400円

 「デザインは発売当初からほとんど変わっていない。マチを広げたり、バックルの素材を変えたり、面ファスナーを変えたりはしているが、基本パターンは同じ。アイコン的な商品なので、過度に変更する予定もない。過去のモデルに採用した素材を復活してほしいという声もあるが、基本は売り切り。欲しいと思ったときに購入していただきたい」(菅氏)

 定番商品としての顔を持ちながらも、素材はシーズンごとに切り替わるTAKIBI Vest。一般的に定番商品というと、規格化・標準化された商品で、流行やシーズンにあまり左右されずにコンスタントに売れるものをいう。しかし、スノーピークアパレルの定番商品は、ある時期を逃すと二度と手に入らなくなってしまう。こういった巧妙な戦略も、ファンを夢中にさせる要因だろう。

 「いろんな人がライフスタイルに合った使い方をしてくれている。ノートパソコンなどの仕事道具を詰め込んだり、ジムに行くときの道具を入れてみたり。個人的には背中の大きなポケットにインフレータブル(空気を入れて膨らませる)の枕を折り畳んで入れておくのがお薦め。勝手に背当てクッションになってくれる」(菅氏)

 キャンプはもちろん、普段のさまざまなシーンでバッグとして活躍するTAKIBI Vest。一着あると、何かと重宝することは間違いないだろう。

(画像提供/スノーピーク)