ブランド価値向上を支えた親身なサポート

 2020年に10周年を迎えるバーミキュラ。ブランド誕生以前の愛知ドビーは社員数15人、売上高2億円程度の鋳造メーカーだった。しかし、バーミキュラ登場以降の業績は右肩上がりで推移し、16年に発売した「バーミキュラ ライスポット」のヒットで一気に事業規模が拡大。現在は社員数約250人、売上高50億円を超えるまでに成長した。

 ブランドが急成長を遂げた理由について土方氏は「ありきたりだが、お客様との信頼関係を築けたことが大きい」と話す。「このフライパンの先行予約初日(20年3月26日)に約6000台の予約が入ったのは、『最高のバーミキュラ製品ができました』というメッセージをお客様が信頼してくれたから。だからこそ、誰も使っているのを見たことがない製品にもかかわらず予約してもらえた」(土方氏)

2010年発売の鋳物ホーロー鍋「バーミキュラ オーブンポットラウンド」シリーズ
2010年発売の鋳物ホーロー鍋「バーミキュラ オーブンポットラウンド」シリーズ

 築き上げたブランドの信頼を損なわずに価値を高めていく……そのために愛知ドビーが重視したのは「最初の顧客を大事にすること」だった。「社員数15人の会社が作った製品を買ってくれたお客様を大事にしている。その人たちを裏切りたくないから、最初に高い値段を付けて後から下げるようなまねもしたくない」と土方氏は言う。

 顧客が製品を使いこなせるように、サポートに力を入れているのもバーミキュラブランドの特徴だ。土方氏は「最初に鋳物ホーロー鍋を発売したときも『火加減がうまくいかない』と言う人がいたが、そういう人たちを放っておかずに対応してきた。社員数15人のときは僕が担当していたほど、コールセンターは重要だと思っている」と振り返る。

 コールセンターのメンバーは全員がバーミキュラ製品を持っており、誰よりも先に新製品を使っているという。製品を熟知したメンバーだからこそ、誰もが使いこなせるようになるサポートができたわけだ。