熱狂的なファンも多い、ヘキサテーブルの魅力

 ヘキサテーブルがここまでキャンパーたちを魅了するのは、とにかくたき火テーブルとしての完成度の高さゆえだろう。キャンプギアの基本とも言える設置と収納のしやすさはもちろん、こだわり抜いた素材や美しい仕上げは、高級家具と遜色がない。実際、自宅のリビングとキャンプ場で兼用しているユーザーも多い。

2020年の新作「集次郎(しゅうじろう)」。天板に集成材のフォトプリントを施したものだが、本物と見まがうリアルさ
2020年の新作「集次郎(しゅうじろう)」。天板に集成材のフォトプリントを施したものだが、本物と見まがうリアルさ

 「キャンプ用のテーブルなので、持ち運べるのが前提。ですから、基材には軽くて丈夫な18ミリのファルカタ集成材というものを使っています。表面の突板(つきいた)はウォールナット、バーチ、ゼブラ、黒檀(こくたん)などから選べて、その上にプリントすることも可能。サイズは大・中・小の3種類あって、掛け合わせると45種類以上になります。私もすべて把握しきれていません。人気があるのは高級なゼブラウッドにウレタン塗装を施した『しま次郎』ですね」(大熊氏)

 大熊氏のユニークなネーミングもヘキサテーブルの魅力の1つだが、ファンが熱狂しているのは、ラインアップの多さだ。3種類のサイズはそれぞれ用途が異なり、組み合わせて使用できるため、セットで購入する人も多数いる。中にはヘキサテーブルだけで9台所有するヘビーユーザーも存在するという。

 「企業のイベント用に限定プリントを施したモデルを出したり、ショップ限定でオリジナルデザインをプリントしたりという取り組みも増えてきています。19年末には木材に繊細なプリントができる機械を導入したので、これから何を作ろうかと楽しみです。家でも、いまだにずっとテーブルのこと考えています。『オレ、面白いな』と思いながらやってますよ。とにかく誰かにあおられるような気持ちになったり、これが本業で忙しくなったりしないように、マイペースで楽しんでやっていきたいですね」と、これだけのヒット商品になっても大熊氏に気負いは感じられない。

タイヤメーカーのTOYO TIRE(トーヨータイヤ)から、「アウトドアイベント用に」と依頼された1台限定のテーブル。タイヤ跡の柄を天板のデザインに採用した
タイヤメーカーのTOYO TIRE(トーヨータイヤ)から、「アウトドアイベント用に」と依頼された1台限定のテーブル。タイヤ跡の柄を天板のデザインに採用した

 常に新しいアイデアや既存の枠組みにとらわれない取り組みは、1人のユーザーとしても次の動向が楽しみでならない。キャンプ歴も長く、様々なギアを使ってきたベテランキャンパーたちを虜にするのは難しいが、そこは大熊氏自身がベテランのキャンパー。自分が欲しいもの、自分が新しいと思えるものを、一切の妥協なく生み出しているからこそ、ヘキサテーブルユーザーの輪が日々大きくなっているのだろう。

(写真/下城英悟、写真提供/TheArth)