アドバイザリーボードの「先見」 第44回

新年度を迎えると、企業では人事異動がある。新たにマーケティング部門に配属された人はどんなスキルを身につければよいのか。また、ベテランのマーケターにしてもこれからの時代を生き抜くのに必要となるスキルは何なのか。法政大学経営学部の西川英彦教授は、今後より重要性を増すスキルとして「企業によるユーザーイノベーションの活用」を挙げる。

法政大学経営学部の西川英彦教授
法政大学経営学部の西川英彦教授

 近年、サービスや製品のコモディティー化が進み、差別化が難しい時代になっています。アフターコロナに向け、新たな変化が必要な企業もあるでしょう。そこで求められるのが「イノベーション」です。

 特に最近は、「ユーザーイノベーションの活用(共創)」が注目を浴びています。ユーザーイノベーションとは、ユーザーが自らの利用のために起こすイノベーションのことです。ユーザーは、個人(消費者)だけでなく企業の場合もあり、こうしたユーザーイノベーションを、企業が自社の製品開発に生かすことが行われているのです。

 しかし、なかなかユーザーイノベーションをうまく活用できず、頭を抱えている企業やマーケターは多いのではないでしょうか。そこで今回は、なぜ企業が、ユーザーイノベーションを活用しにくいのかを解説します。

 まずは、イノベーションの定義をおさらいしておきましょう。イノベーションは日本語で「技術革新」と訳されることが多いのですが、新しい技術開発だけでなく、新市場や新製品の開発なども含めてイノベーションと呼ばれており、異なる知識と異なる知識が新たに結合することによって生まれるといわれています。

 そこで必要となるのが、「知の深化」と「知の探索」です。知の深化とは社内の専門知識を深めることで、知の探索は社外の新しい知識のことを指します。自社の知識を深め、社外の新しい知識と組み合わせることで、新しい製品やサービスが生まれるというわけです。

 同様に、この記事で新たに学んだ知識(スキル)とみなさん自身の知識を組み合わせることも、イノベーション(創造性)をもたらすのです。

ユーザーイノベーションへと活用できているのはわずか5%

 では、実際に日本ではどれくらいユーザーイノベーションが起きているのでしょうか。そもそもユーザーイノベーションを活用する流れには「3つのフェーズ」があります。

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