コロナ禍で大きな打撃を受けた飲食や宿泊業界。それらの予約サイトを運営する一休社長の榊淳氏に、2020年の総括と21年の展望を聞いた。Go Toトラベルキャンペーンで宿泊業界は回復を遂げ、国内の観光資源を再発見するきっかけになったという。

新しい形の旅行スタイルに出合えた

 2020年は激動の1年でした。宿泊やレストランの予約サイトを運営していますが、コロナ禍の影響を最も受けた業界の1つだと思っています。20年3月に全国の小中学校と高等学校、特別支援学校が臨時休校になりましたが、その頃からあれよあれよと予約が減り、キャンセルが増えました。予約の純増がゼロになった時期もありました。

 緊急事態宣言が解除された20年5~6月ごろ、ステイホームの反動からか、外出ニーズが高まってきました。県をまたいだ移動を避けることを求められていた時期なので、県内の旅館などを予約する人が増え、当社の売り上げも前年と同じくらいまで回復しました。近所の旅館へ行き、旅館の中にこもるといった“場所を変えたステイホーム”をする人が多かったようです。県またぎの制限が解除されてからは、東京であれば関東圏内といった範囲で移動する“環境を変えたホームステイ”をしていたように思います。この頃には前年を超える予約が入り始めました。その結果、新しい形の旅行スタイルにお客様も私たちも出合えたように思います。

 Go Toトラベルキャンペーンが始まった当初は、お祭りのように販売量が増えました。比較的小規模の高級旅館や高級リゾートホテルなどのほうが、大型の宿よりも人気が集まりました。大型施設の場合は部屋数が多いため、広い宴会場で集まって食事、大浴場で温泉に入るといった、他の人と顔を合わせる場面が出てきますが、高級旅館では食事も温泉も部屋で完結できる場合が多い。また都心より郊外のほうが人気でした。人が少ないと思われる郊外を選ぶ人が多かったようです。

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