P&Gやロート製薬、ロクシタン、スマートニュースでマーケティング責任者、経営者としてブランドを育成してきたStrategy Partners代表取締役の西口一希氏。ビジネスコンサルタントや投資活動を行っている西口氏が、コロナ禍で成功した企業の特徴や2021年を乗り切るために必要なスキルを語った。
Strategy Partnersという会社を通じて、さまざまな企業への経営コンサルティングや投資をしています。2020年は16社と契約をしているのですが、コロナ禍であっても16社中14社は業績を伸ばせました。観光や外食業界に属する2社は、残念ながら新型コロナの影響を逃れることができませんでした。しかし、中には同じ業界であっても業績を伸ばした企業もあります。では、その違いは何でしょうか。
目まぐるしい環境変化に対応するためには機敏性が必要
企業支援を続けて特に重要だと感じたのが、意思決定者であるトップの「現場の把握力」と「戦略の構築・実行力」です。つまり、トップが顧客の心理や行動の変化をリアルタイムで感じ取り、理解しながら、縦横無尽に戦略を変えられた企業が成功しているということです。
コロナ禍では未知のウイルスに対する恐怖から身を守るため、行動を変えざるを得ない状況になりました。例えば、友人と集まって食事をしたいという心理的なニーズがあっても、外出自粛や飲食店の営業時間短縮など政府の規制が入ることによって、それをしてはいけないという理性が働き、行動を変更するなどです。環境の変化によってどのように顧客の心理状態が変化し、行動の変化につながったのかを見抜き、顧客の変化と現場の現実に寄り添った戦略を立てることが重要です。環境要因による心理状態や行動は目まぐるしく変化するため、リアルタイムでつかめるかが鍵となります。
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