新型コロナウイルスの感染拡大で大きなダメージを受けた音楽市場。CDショップが臨時休業したりライブは中止になったりと、縮小を余儀なくされた。いまだ収束の兆しは見えないが、ポニーキャニオンデジタル戦略担当エグゼクティヴ・プロデューサーの今井一成氏は、コロナ禍で一気に加速した「ストリーミングサービス」に手応えを感じている。

ポニーキャニオンデジタル戦略担当エグゼクティヴ・プロデューサーの今井一成氏
ポニーキャニオンデジタル戦略担当エグゼクティヴ・プロデューサーの今井一成氏

ストリーミングが売り上げをけん引

 日本レコード協会(RIAJ)によると、音楽ソフトの生産額と音楽配信の売上額の合計は2019年度2998億円でした。中でも音楽配信はようやく700億円規模に到達。日本は音楽配信市場がここまで成長するのに、かなりの時間を要しました。

 CDやDVDなどの音楽ソフト(オーディオレコードと音楽ビデオの合計)が約2300億円、音楽配信は約700億円。この構図は世界で見ると日本だけで、非常に特殊だと言えます。現在、米国や欧州など海外のマーケットではオーディオレコードの売り上げはほとんどありません。アメリカレコード協会(RIAA)によるとストリーミングサービスの売り上げシェアは85%を占めます。日本の音楽市場は非常に大きいと言えますが、その内訳は世界でも特殊なケースと言わざるを得ません。

 そしてコロナ禍に見舞われた20年の音楽市場ですが、1~10月の実績を見ると音楽ソフトは前年比84%、音楽配信(1~9月)は110%強でした。

 新型コロナの感染拡大により、音楽市場の中で最も打撃を受けたのは間違いなくライブ市場です。ツアー途中で中止が発表されたり、開催するにしてもさまざまな制約や感染防止対策を求められたりしています。

 レコード会社はどちらかというと原盤ビジネスが中心で、いわゆる楽曲制作からレコーディング、それを世の中にリリースして収益を得るビジネスモデル。レコード会社の視点ではライブ事業よりも外出自粛で人々が店舗に足を運べなくなり、オーディオレコードの売り上げが伸びなかったダメージが大きかった。しかし、その分日本はデジタル市場が伸び盛りなので、何とか市場のスケールを保てています。そういう意味では明るい光も差しています。

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