日経クロストレンドのアドバイザリーボードに2020年の総括と21年の展望を聞いた。今回は20年6月にエステーを退職し、「かげこうじ事務所」を設立した鹿毛康司氏。コロナ禍でテクノロジーの活用に迫られ効率化が進んだ半面、マーケティングにとって重要な“愛”の欠落を痛感しているという。

かげこうじ事務所代表の鹿毛康司氏
かげこうじ事務所代表の鹿毛康司氏

 事務所開設から6カ月が経過しましたが、おかげさまで業績は順調です。新型コロナウイルス感染拡大の影響が著しい中での独立でしたが、ありがたいことにエステーの仕事を継続しながらスタートできました。

 多くの人が“おうち時間”を過ごさざるを得なくなり、家庭の日用品を扱うエステーの業績は好調です。特に米びつ用防虫剤「米唐番」や冷蔵庫の消臭剤「脱臭炭」が売り上げをけん引しました。長い時間家にいると、テレビやパソコンなどの映像を楽しむ製品が生活の中心になるのは想像できるでしょう。実は冷蔵庫などいわゆる白物家電も暮らしの大きな役割を担っています。

 外出自粛でこれまで外食中心だった人も必然的に家で食事をとるようになりました。自炊の機会も増え、米や食材を買う頻度が高くなる。米の消費量が増えるのに伴い、「米唐番」の売り上げも伸びていきました。特に冷蔵庫はコロナ禍で大きな存在感を示したように思います。家の中における“冷蔵庫の役割”が変化したのです。

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