C Channelの森川亮社長が考える「withコロナ時代のSNSとC Channelの投稿から見えてきたもの」。後編は動画配信事業のマーケティングで必要なことを紹介する。同社は2020年5月にTOKYO PRO Marketに上場を果たしたが、改めて今後のビジョンについても聞いた。

認知を広げるだけでは購買に結びつかない。信頼できる人が認めた物かどうかが重要になるという(写真提供/Shutterstock)
認知を広げるだけでは購買に結びつかない。信頼できる人が認めた物かどうかが重要になるという(写真提供/Shutterstock)

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 ネットによる動画配信事業は新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、一時的に追い風が吹きました。それでも現状の日本ではやはりテレビの影響力は強いと思います。しかし、今や多くの人が最終的に物を買うときに「ネットで口コミを確認する」というプロセスを踏んでいるのも事実です。信用できる口コミをネット上につくっていくことは、マーケティング上とても有効な手段だと感じています。少子高齢化を考えると、末永く贔屓(ひいき)にしてもらうことが何より大切で、ネットを活用しながら企業とお客様のコミュニケーションをますます深めていくことが重要になってくるでしょう。

 今の若者で動画コンテンツをライブ配信で見たいという人は決して多くありません。オンデマンド視聴に慣れているとも言い換えられますが、ニュースやスポーツ、有名人のライブ配信は別だとしても、「見たいときに見る」のが一般的な視聴スタイルとして根付いていると感じます。

 そういう意味ではこれからのテレビってどうなるんだろうという疑問はあります。先日、あるテレビ局の重役が参加するビデオ会議に出席したのですが、「恐らくこの5~10年では状況は変わらないかもしれないし、テレビとネットの関係性がどうなっていくのか分からない」と率直に申し上げました。しかし同席していた方々も同じような認識でした。

 動画配信は今のところテレビにはかないませんが、個々のネット配信をテクノロジーでつなげて大きな面にしていく――これこそが我々の役割で、成し遂げるべきミッションだと考えています。

「人軸消費」が鍵に

 20年4月に企業とインフルエンサーが出会い、関係を深めることができるプラットフォーム「Lemon Square(レモンスクエア)」をスタートさせ、20年7月にインフルエンサー登録者数が2000人を超えました。既存のインフルエンサーより影響の範囲が狭い「ナノインフルエンサー」を増やしている途中ですが、皆さんは「C CHANNELに出たい」「いい商品を紹介したい」という思いが強いほうなので、サービスがうまく回っている手応えを感じています(関連記事:「withコロナ時代のSNS 投稿の新トレンドをC Channel森川氏が語る」)。

 直近の事業に関しては、新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けた宿泊観光施設や飲食店を応援したいと考え、そこにマッチするインフルエンサーを強化しています。やはり遠くまで旅行し難い現状を踏まえると、近隣の住人が近くのレストランやホテルなどの施設を応援する仕組みを整えることが、多くの人にとってプラスになる施策なのではと考えています。我々はそういった消費行動を「人軸消費」と呼んでいますが、コロナ禍のような状況になると、モノの機能や価値ではなく、誰が主体となって動いている商品なのか、この商品の何に共感したのかというところでお金が動いている実感があります。愛情を注ぐことを目的とした消費行動です。

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