世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスの感染拡大。さまざまな企業、そして多くのビジネスパーソンが苦しい状況に直面している。だが、マーケティングコンサルティング会社・ウォンツアンドバリュー代表でマーケティング戦略コンサルタントの永井孝尚氏は厳しい現実を見ながらも、その一方で「無数のビジネスの種が生まれている」と話す。
「賢い消費者」から「より賢い消費者」へ
新型コロナウイルスを撃退する手段が確立されない限り、現在の状況が完全に収束することはないでしょう。大切なのはこれから少なくとも1~1年半という間、この状況が続くことを前提にビジネスを考え、新型コロナが収まったときにどうなるかについて今から考えておくことです。特に中小企業は、キャッシュアウトだけは避けたいと思っていることでしょう。私の会社も中小企業。キャッシュがないと会社を運営できないのは、当然の話です。
今、1年分のキャッシュを持っている企業がどれだけあるのか――。例えば新型コロナの影響で売り上げが消滅し、それが半年間続くと最低でも6カ月分の運転資金の蓄えが必要になります。しかし、恐らくそこまでの資金を持ち合わせている中小企業はそう多くないでしょう。運転資金が底を突くということは、生命で例えると「食べる物がない」「飲む水がない」のと同じで、死を意味します。ぜひさまざまな支援制度を活用して乗り切っていただきたいと思いますが、前述の通りこの状況が1~1年半続いたとすれば、全体で見ると倒産する企業が続々と出てくる可能性は高いでしょう。しっかりとこの現実を見る必要があります。
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