新年度は新入社員の入社、社内での大規模な人事異動など大きな動きがある。新人を受け入れるマーケティング部門のマネジャーがすべきことは何なのか、またどのような組織を作ればよいのか。クー・マーケティング・カンパニー代表取締役の音部大輔氏に「新入社員を受け入れるマーケ組織」について話してもらった。

クー・マーケティング・カンパニー代表取締役の音部大輔氏
クー・マーケティング・カンパニー代表取締役の音部大輔氏

 3月を迎え、今年度も残りわずかとなってきました。4月には新入社員が入社してくる企業も多いでしょう。そこでたまに起こるのが、「申請していないのに、うちの部署にも新人が入ってきてしまった!」という事案です。

 当たり前ですが、新人は1人分の人件費を使うのに、まだ何も分からないので足手まといになるだけでなく、誰かが仕事を教えなければならないので人手がかかります。できれば新人を取りたくないと思っている人も、いるかもしれません。

 せっかく吟味を重ねて採用した新人を、きちんと育成する体制が整っている組織はそれほど多くないかもしれません。組織構築の経験から、1年後にどれだけ活躍できる人材に育てられるかは、組織力の指標の1つだと考えるようになりました。今回はマーケティング部門で、私が実践してきた組織作りを紹介します。

 新人教育で問題になるのが、教える側の能力や実力によって、新人同士の間でスキルに大きな差が付いてしまうことです。新人が過ごす1年と、勤務歴20年目のベテランが過ごす1年とでは、同じ1年でもその後のキャリアに及ぼす影響は雲泥の差。そして、もともとの能力の差よりも、訓練の差が大きいのも1年目の特徴です。新人の1年はとても重要でありながら、教育はいわば個人技だと思われがちです。ベテランのブランドマネジャーが教育係になればラッキーですが、「新人が来ちゃったよ……」と言っているような教育係の下で、新人は大きく成長できるか心配です。

新人を“立派な”2年目に育てる

 教育係となったマネジャーは、目的を「新人全員が“立派な”2年目になること」と設定し、そのために何を教えるべきかを考えるのがよいと思います。この“立派な”という部分については、それぞれの企業で「自社にとってふさわしい2年目とはどんな人材か」を定めなければなりません。

 次に新人を立派な2年目にするために、何を教えるべきかを考えます。1年目に比べて2年目が優秀なのは、1年目より動的な経験やコツなども含めて「知識」があるからです。プロジェクトの経験や人脈の有無、社内の仕組みを知っているかなど、さまざまな表現がありますが、つまるところ知識の有無です。1年目で経験すべき活動を通して、獲得すべき知識が正しく身に付くために何をさせるべきかを考えれば、マネジャーたちは新人全員を優秀な2年目に育てられるはずです。これが考え方の軸です。

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