
- 全5回
「サラリーマン漫画」を作った男
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- 第1回
- 2020.03.11
弘兼憲史:父と見た西部劇を描写、貸本に影響を受けた少年時代 どんな人間であれ、時代の奔流からは逃れられないものだ。自分の躯(からだ)の奥底から浮かび上がってきたように見える表現も、その時代が操っているときもある。いや、逆だ。優れた表現者は時代の空気を吸って、何を創るべきなのかを的確に捉えられる。漫画家・弘兼憲史もそんな一人である。 -
- 第2回
- 2020.03.19
弘兼憲史:松下電器に就職、漫画家より堅実な人生を歩むと決めた 親の説得で美大を諦め、就職に有利な東京の大学を目指した弘兼憲史。漫画研究会では常識の一コマ漫画ではなくストーリー漫画を描きながらも堅実なサラリーマンになることを決めた。学生運動を横目に岸信介、佐藤栄作らの後ろ盾を得た意外な縁とは……。 -
- 第3回
- 2020.03.26
弘兼憲史:「嫌われる上司って……」 会社員時代に磨いた観察力 松下電器産業(当時)で念願かなって配属された宣伝広告部で、後の作品にも生きる人間観察力を磨いた。3年で松下を辞めた弘兼憲史だが、退社後も金には困らない生活を送った。だが新人賞の受賞後は何本かの連載をするもののなかなかオリジナル作品を描く機会に恵まれず、漫画家として模索が続いた。 -
- 第4回
- 2020.04.15
弘兼憲史:読み切りから始まった『島耕作』 徹底取材の現実味 弘兼憲史の代表作『島耕作』シリーズの始まりは、1本の読み切り漫画からだった。自身のサラリーマンとしての経験に加え、徹底した取材の成果を原稿に落とし込みシリーズ累計4000万部の大ヒットとなった。さらに政治ドラマを描いた作品で取材を大切にする手法を推し進めた。 -
- 第5回
- 2020.04.30
弘兼憲史:「4番打者ではない」 打率5割の漫画家人生 弘兼憲史の真骨頂は恋愛描写にもある。1991年には猪瀬直樹とタッグを組んだ久々の原作付き作品でスパイスを利かせた。最新作の『黄昏流星群』では、中高年の恋を描きそのリアルさで同年代の心をつかむ。46年目を迎えた漫画家人生の総括と今後の展望を語る。