「しょうゆ」の魅力を、サブスクリプションで拡張する――。しょうゆ最大手のキッコーマンが、自宅でしょうゆ作りを楽しむ今までにない定額サービスを2019年に開始し、話題を呼んでいる。大量生産品の裏側に隠れた「作り手のこだわり」を伝え、消費者とメーカーの間に永続的な関係性を築くのが狙いだ。

「BOTTLE BREW」はキットを使って、しょうゆ作りの一部を自宅で実体験できるサービスだ(写真/新関雅士)
「BOTTLE BREW」はキットを使って、しょうゆ作りの一部を自宅で実体験できるサービスだ(写真/新関雅士)

 「ワインのようにフルーティーな香りのしょうゆを自家製で作れ、しかも発酵の過程を五感で楽しめる」。グループ会社キッコーマン食品でしょうゆ商品開発を手掛けるチームリーダーの花田洋一氏は、19年9月に開始した自社初のサブスクサービス「BOTTLE BREW」の魅力をこう話す。

 ネット通販を除けば、キッコーマンが自ら会員基盤を持ち消費者に対して直接サービスを提供するのはこれが初めてだ。同社は、通常行う火入れをせず密封容器に入れることで「鮮やかな色」や「さらりとしたうまみ」を実現した「いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ」を2010年に発売するなど、これまで商品作りを通じてしょうゆの魅力を訴求してきた。

 しかしながら、しょうゆの市場規模はこの20年で4割弱も減り、18年には75万7237キロリットルまで落ち込んだ。もっと大胆な発想で、しょうゆのファンになってもらうべく一般消費者にアピールすべきだと検討を重ねた結果生まれたのがBOTTLE BREWだった。

 一言でいうと、しょうゆ作りのキットを消費者の自宅に送り、出来上がるまでの過程の一部を実体験してもらうサービスだ。材料としては「発酵元液」「しょうゆ種」、そして「杉玉」がワンセットになっている。まず杉玉を沸騰したお湯で10分間煮沸し、これを専用ボトルに移し替えて、発酵酵母の入ったしょうゆ種を投入。ここに発酵元液を注ぎ込み、専用の木製キャップをかぶせれば準備完了。1週間ほどすると表面に泡が出てくるなど、発酵が進んでいく様子を目で見ながら楽しめる。

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