新型コロナウイルスの感染拡大により多くの企業で従業員の在宅勤務が採用された結果、これまで「紙文化」にどっぷりつかってきた企業の法務部門が、デジタル化に取り組み始めた。企業活動のバックグラウンドを支える法務部門におけるデジタル化は、その企業全体のDXを後押しする追い風になりそうだ。

リーガルライブラリーのウェブサイトトップ画面(写真提供/Legal Technology)
リーガルライブラリーのウェブサイトトップ画面(写真提供/Legal Technology)

 「2020年3月から増加基調だった企業の法務部門からの引き合いが、4月に入ってからさらに増している」

 こう話すのは、Webベースで法律専門書などをリサーチできるサービス「LEGAL LIBRARY(リーガルライブラリー)」を19年12月から提供するLegal Technology(東京・千代田)の二木康晴社長だ。

 リーガルライブラリーとは、有料登録ユーザーが「探したいキーワード」をWebブラウザー上で入力すると、データベース化した法律専門書や官公庁が作成する各種資料の中から、そのキーワードを解説した該当ページを表示するサービス。有斐閣、中央経済社、日本加除出版、現代人文社、きんざい、民事法研究会、ぎょうせい、勁草書房という主要な法律専門書出版社計8社の協力により、約10万ページの法律専門書や官公庁の各種資料を横断的に検索・閲覧できる(関連記事「法律専門書などのリサーチサービス正式版が2019年12月に提供開始」)。  

 専門書の中に示された「契約書のひな型」を、文書作成ソフト(マイクロソフト「Word」)で編集可能な状態で表示できるため、ひな型に名前や日付を実際に記入すれば、すぐ契約書として利用できるなど、法務の現場での実用性を重視している。

 20年3月末時点の有料登録ユーザーは、全国各地の弁護士を中心に約1000だった。それが「現在は企業の法務部門からの引き合いが増し、有料登録会員数が倍増する勢い」(二木氏)だ。既に大手金融機関1社が契約し、利用を始めているという。

書籍や専門誌にどうアクセスするかが課題

 企業の法務部門からの引き合いが増している背景には、新型コロナウイルスの感染拡大によって、従業員の在宅勤務に踏み切った企業が増加していることがある。

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