神戸市は、ウーバー・ジャパン(東京・渋谷)と連携協定を結び、宅配や持ち帰りによる販売機会の拡大を狙う取り組みを、2020年4月13日から始めた。新型コロナウイルスの感染拡大で売り上げが減っている市内の中小飲食店などを支援するため。思惑通りに中小飲食店の売り上げが増えれば、同様の支援策が他の自治体に広がる可能性もある。
神戸市は、ウーバー・ジャパンが運営する飲食の宅配代行サービス「Uber Eats(ウーバーイーツ)」の利用手数料の一部免除や、料金の割引支援などを、同社と共同で実施する。市内で営業する傘下の店舗数が20店未満の中小飲食店(外食事業者)が対象だ。
「既にウーバーイーツのサービスを利用している市内の約720店舗のうち、4月10日時点で対象となる中小飲食店は560店舗になる」(神戸市企画調整局つなぐラボ 特命係長兼市長室広報課担当係長の長井伸晃氏)という。神戸市は、これらの既存店舗に加え、新たにウーバーイーツのサービスを導入する中小飲食店も募る。ウーバーイーツを活用した中小飲食店の販売機会拡大を進める考えだ。
飲食店の負担がない割引支援制度を導入
ウーバーイーツとは、ユーザーが専用アプリで飲食メニューを購入すると、配達員が指定場所まで届けてくれるサービスだ。あらかじめ登録済みの配達員から最適な人を飲食店が選び、配達を依頼する仕組み。商品が売れると、通常、数割程度がウーバーイーツの手数料となる
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、ウーバーイーツは既に20年3月27日から飲食店の支援に乗り出している。飲食店がウーバーイーツのサービスを導入する際の初期手数料を無料化し、さらに同年4月13日から5月10日まで、ユーザーの注文金額に応じた割引支援制度を設けた。その場合、飲食店側には負担がかからない。購入金額が1000円以上なら100円割引き、1500円以上なら200円割引き、2000円以上なら300円割引き、3000円以上なら500円割引きという4つのコースから飲食店側が選び、実際に該当する注文が入った場合の割引分をウーバーが負担する。
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