NTTドコモは2020年4月8日、新型コロナウイルスの影響で、東京都内の人口がどう変化したかを示すデータを公開した。携帯電話の接続データを利用した人口分析サービス「モバイル空間統計」を使ったもので、渋谷センター街で若者人口が約50%減少するなど、外出自粛要請後の変化を明らかにした。

1カ月前と比べたときの週末の人口増減を地図上に色で表示した様子。山手線圏内は減少し、郊外で増加傾向にあることが分かる。画像はNTTドコモが公表した資料から抜粋した
1カ月前と比べたときの週末の人口増減を地図上に色で表示した様子。山手線圏内は減少し、郊外で増加傾向にあることが分かる。画像はNTTドコモが公表した資料から抜粋した

 今回分析したデータは、東京都の小池百合子知事が外出自粛を要請した3月25日の直後となる週末(3月28日~29日)と、さらにその1週間後(4月4日~5日)について、3月上旬の週末と比べた時の人口増減率を調べたもの。渋谷センター街周辺の値を見ると、3月29日(日)の人口は42%減少、4月5日(日)は49%。自粛要請の一定の効果は出ていると言えそうだ。

渋谷センター街周辺(500mメッシュ)、日曜日
渋谷センター街周辺(500mメッシュ)、日曜日
全体人口(青い線)よりも、15~29歳の人口(オレンジ色の線)のほうが若干減少の幅が大きい

 若者の動きに限って見てみよう。同じセンター街周辺で、15~29歳のユーザーに絞って分析したデータを見ると、3月29日(日)は45%減、4月5日(日)は53%減。若者の中にも、不要不急の外出はせずに自宅で過ごすという意識は広がっているようだ。

 比較的、訪問者の年齢層が高いと考えられる銀座周辺では、3月29日(日)は61%減で、4月5日(日)は66%減とさらに減少の幅が大きかった。

銀座周辺(500mメッシュ)、日曜日
銀座周辺(500mメッシュ)、日曜日
3月29日(日)は61%減で、4月5日(日)は66%減と渋谷よりも減少の幅が大きかった

平日の新橋は減少緩やか

 ビジネスパーソンが多く集まると見られる平日の新橋周辺を集計したデータもある。3月6日(金)と比較すると、3月27日(金)は20%減、4月3日(金)は40%減。リモートワークを導入する企業が増え、徐々に出勤する人の数は減っているものの、減少の推移は緩やかだったことが分かる。

新橋周辺(500mメッシュ)、金曜日
新橋周辺(500mメッシュ)、金曜日
3月27日(金)は20%減、4月3日(金)は40%減と週末の繁華街よりも減少は緩やかだった

 モバイル空間統計は、国内約7800万台(2019年3月時点)、訪日外国人約1200万台(19年実績)の携帯電話が基地局に接続するときの履歴データを使い、人口分布を分析するサービス。500メートルメッシュ(四方)や市町村など地域ごとの値を参照できる。利用者の情報と照らし合わせることで、性別や年齢層ごと、観光地にどこの居住地から集まっているかといった分析もできる。プライバシー保護のため、ユーザーの個人情報を排除した統計情報のみを扱う仕組みとなっている。

 NTTドコモは厚生労働省など行政からの要請により、これらの新型コロナウィルス対応の影響による東京都の変化を示すデータを提供しているという。

(写真提供/NTTドコモ)


新刊『これ1冊で先が見通せる! アフターコロナ消費&キャッシュレス最新勢力図』(2020年7月2日発売、日経BP)
 国主導で盛り上がった還元事業が2020年6月末で終了した後、キャッシュレス決済は普及し続けるのでしょうか? しかも新型コロナウイルスの感染拡大で、消費の先行きは見通しにくくなっています。そこで本ムックでは、QRコード決済サービス事業者や小売り店、ポイント事業者など、多くのプレーヤーの取り組みを、日本だけでなく米国でも徹底取材を進めて、明らかにしました。消費の行方に関心を抱く方にはぜひ手に取ってほしい1冊です。

Amazonで購入する
日経BP SHOPで購入する