※日経トレンディの記事を再構成

人気スマートフォンゲーム『Fate/GrandOrder(以下FGO)』が、さまざまな業界の垣根を越え、一大経済圏を築いた理由を探る本特集。4回目は、2017年以降、コラボし続けるサンリオを取り上げる。同社のコラボ企画の中でもロングランとなっている背景には、ゲームを深く理解したうえで、ファンに飽きさせないプロジェクトを展開する工夫があった。

 『FGO』は、他業種からオファーはたくさん来るものの、手広くコラボ企画をやっているわけではない。世界観を壊さずに『FGO』のある生活を目指すというのが、運営元の方針だからだ。

 そのなかで目立つ長寿コラボが、サンリオだ。17年に「Fate/Grand Order Design produced by Sanrio」という企画が始動。「今も続いており、2年間で上代規模は10億円を突破した。サンリオのコラボ企画のなかでも、かなりロングランとなっている」(サンリオ担当者)。

 第1弾として、『FGO』のサーヴァントをサンリオのテイストでイラスト化した「デザインプロデュース」が始まり、17年11月にまず11騎をイラスト化した。

 サンリオ担当者は「プロジェクトを発表しただけで、告知ツイートは3.8万件拡散され、これほど反響があるとは思わなかった。『FGO』ファンには、『あのサンリオと組むとは!』という驚きをもって迎えられた」と話す。サンリオの世界では他人を傷つける行為や、武器の所持などはご法度。本来は戦闘ゲームの『FGO』とは水と油のような存在だ。試行錯誤を重ねた結果、両者の世界観がうまくマッチした絶妙な世界観が出来上がった。

 ここから単純にサーヴァントの数を増やしていくだけなら、盛り上がりは短期で収束していたことだろう。サンリオは、この後より深くゲームを理解したうえで、様々な企画を世に送り出した。18年8月には「オルタ」という大人ユーザー向けのデザインを考案。「オルタ」とは、サーヴァントの性質が反転した姿のことだ。この「表」と「裏」のような特性を生かし、白と黒を使ったシックで落ち着いたデザインに仕上げ、大人のユーザーにも手に取りやすい商品展開にした。

 19年6月には、物語の各章の世界観に合わせた「特異点シリーズ」を展開。FGOの章ごとに登場するサーヴァントや武器を一つのシリーズとしてまとめ、よりゲームの内容に寄り添った格好となった。サーヴァントのコスチュームや武器などのディテールを細かく表現し、男性でも手に持ちやすいようなデザインにした。

 次にいよいよ、サンリオ自社の人気キャラクターと『FGO』の世界を融合していった。最初に対象として選ばれたのは、サーヴァントではなく『FGO』のマスコット的な存在の小動物、「フォウくん」。サンリオのキャラクターが身に着けるアイテムをフォウくんに持たせたり、抱き合ったりするビジュアルが展開された。

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