企業が自社の歴史や事業を伝えるためにミュージアムをつくる動きが増えてきた。これらは顧客や取引先への情報発信だけでなく、実は自社の社員へ向けたブランディングの機能も有している。仕事を見せる、魅力を伝える──それが社員の誇りに変わるのだ。

全長12メートルの巨大ジオラマ「いすゞミニチュアワールド」。コンビニにはいすゞのトラックが商品を配送し、野外コンサート会場をイベントトラックが盛り上げる(写真提供/いすゞ自動車)
全長12メートルの巨大ジオラマ「いすゞミニチュアワールド」。コンビニにはいすゞのトラックが商品を配送し、野外コンサート会場をイベントトラックが盛り上げる(写真提供/いすゞ自動車)

展示車両は模型も含め800台以上

 「いすゞプラザ」は、いすゞ自動車(以下、いすゞ)が創立80周年記念事業の一環として、17年4月、神奈川県藤沢市に開館した企業ミュージアム。来館者を真っ先に出迎えるのが、全長12メートルの巨大ジオラマ「いすゞミニチュアワールド」だ。架空の街「いすゞ県いすゞ市」の夜明けから深夜までの1日の暮らしを、15分に凝縮。600台以上のクルマと3300体以上のフィギュアを設置した街中を、CPUを搭載したミニチュアカーがプログラミングによる自動運転で走り回る。トラックやバスが人やモノを運び、火事の現場に消防車が駆けつけ、建設現場では建機が活躍する。トラック、バスや産業用エンジンなど、日々の暮らしを支えるいすゞ製品と社会との関わりをダイナミックに紹介する。

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