統一超商を中心とする流通サブグループを編成したことで、徐重仁は「原点回帰」「資産共有」の強みを生かしたグループ経営に乗り出した。統一企業から押し付けられた業績の悪化した企業を再生させ、新事業を開拓し続けた結果、徐の流通サブグループは台湾で最大級規模の流通コングロマリットに成長した。(本文敬称略)

統一超商が2008年12月に100%子会社として設立した「統一佳佳」がチェーン展開するフィットネスジム「BEING sport(統一健身倶樂部)」
統一超商が2008年12月に100%子会社として設立した「統一佳佳」がチェーン展開するフィットネスジム「BEING sport(統一健身倶樂部)」

 2001年1月、統一企業はグループの新たな組織図を発表した。統一企業をトップとする「統一企業グループ」は、同社のメインビジネスである食品生産加工を手がける「食品製造サブグループ」、統一超商を中心とする「流通サブグループ」、そして「商流および貿易サブグループ」「投資サブグループ」の4つのサブグループ(次集団)に分けられた。

 流通系の子会社すべてに出資している統一超商は、流通サブグループを率いる事実上のトップといえたが、組織上はセブン―イレブンの事業会社に過ぎず、他の子会社と同様、流通サブグループを構成する1社として属する形になった。

 「私が統一企業の上層部に求めたのは、流通関連会社を1つのグループにまとめることだったので、他の3つのグループ編成には一切タッチしませんでした」と語る徐は、組織図内における統一超商のポジションなど気にもとめなかった。流通サブグループのトップとして、グループ経営を行えれば十分だった。

 流通サブグループとして独立したことで、大企業の体力に中小企業のチャレンジ精神と機動力を兼ね備えた「原点回帰」に加え、グループ内の企業がそれぞれ専門の知識や技術を活用しながらサポートし合う「資産共有」も実行しやすくなった。

 その一方で厄介なこともあった。

 グループ編成の際、スーパーマーケットの台湾カルフール(家樂福)を展開する「統一家樂福」、ガソリンスタンド事業の「統一精工」、ベーカリー事業の「統一聖娜多堡」、薬品製造の「統一藥品」、統一渡假村を開発する「統合開發」、オーガニック食品事業の「統一有機」も流通サブグループへと移管された。経営権がフランス本社にある統一家樂福は別として、残りの5社は統一企業の管轄下で業績不振にあえいでいた。

 これらについて、徐は高清愿会長から「流通サブグループでなんとかしてもらえないか」と相談されていたのだ。自ら積極的に設立した会社ではなかったが、徐は高の要請を快諾した。流通サブグループに移管された各社の経営体制や事業内容を見直し、大胆な改革を進めながら経営の効率化を図った。

 やがて5社の業績は回復した。徐はどのようにして会社を再生させたのか、統一藥品のケースを見てみよう。

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