「お客様に便利なサービスの提供」を追求する徐重仁は、小売りビジネスだけでなく、人々の「お金」に関する不便の解消もセブン―イレブンの使命だと考えた。公共料金の収納代行サービスから始めて、銀行のATM、クレジット機能付きカードと、台湾のマネーサービスの環境整備をリードした。(本文敬称略)

セブン―イレブンの店内に設置された中国信託商業銀行のATM
セブン―イレブンの店内に設置された中国信託商業銀行のATM

始まりは台湾初の公共料金収納代行

 「事業はもうけるためでなく、お客様と従業員と関係者を幸せにするためにある」という哲学の下、徐重仁は「コンビニエンス(便利な)ストアであるセブン―イレブンは、お客様の暮らしの便利を追求する」という経営方針を掲げていた。その取り組みは、本業の小売業以外のサービスにも広がった。

 「マネーサービスの環境整備」も、その1つの例だ。

 当時、日本より経済発展が遅れていた台湾では、金融機関のインフラ整備も進んでおらず、施設の数も少なかった。たとえあったとしても、都市部や地域の中心地に集中していた。そのため郊外や地方に暮らす人々は不便を強いられていた。

 日々の暮らしの中で、人々がもっと便利にお金を扱えるようにしたい――そう考えていた徐が最初に着手したのは「公共料金の収納代行サービス」だった。日本のセブン―イレブンでは、1987年10月に東京電力の料金収納業務取り扱いがスタート。翌88年3月に東京ガスの料金、89年6月にNHKの放送受信料の継続払い込み、91年4月にはNTTの料金収納業務取り扱いのサービスを始めた。

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