徐重仁は一刻も早いPOS(販売時点情報管理)の実現を目指したが、難易度の高いシステムを開発できるのは、日本のセブン―イレブンのPOSシステム構築に携わった野村総合研究所(NRI)しかなかった。NRIから「セブン―イレブン・ジャパンの承認が必要」と言われた徐は、同社の鎌田誠晧(まさあき)副社長に会うため日本へ飛んだ。(本文敬称略)
米国研修で得た千載一遇のチャンス
1989年8月、台湾初となるEOS(電子受発注システム)のセブン―イレブン全店導入を成し遂げた徐は、90年5月、念願だったPOSシステムの研究開発をスタートさせた。POS専用のレジスターなど、ハードの開発は日本TECとの提携で進めた。問題は店舗、本部(本社)、物流センターを結ぶ統括システムの構築だった。
実現性や成功率を考慮して、徐は日本のセブン―イレブンのPOSシステムの構築に携わった野村総合研究所(NRI)に依頼した。しかし、「いろいろ厄介なこともありました。NRIは『セブン-イレブン・ジャパンが認めないとできない』という立場でしたが、セブン-イレブン・ジャパンに打診しても、簡単に『どうぞやってください』とは言ってもらえなかった」と徐は振り返る。
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