世界で最も早く新型コロナウイルスの感染拡大防止に成功し、ビジネスの回復に着手している台湾。同国にセブン―イレブンを上陸させ「流通の父」として敬愛される徐重仁が、日本企業がコロナ禍に打ち勝ち、コロナ収束後に備えるために、経営者とビジネスパーソンが心がけるべきことについて語った。(本文敬称略)
ライフスタイルの変化に合わせたビジネス
前回、新型コロナウイルスの感染拡大を押さえ込んだ台湾では、このピンチをビジネスチャンスに変え、新規事業や人材確保、顧客単価のアップに取り組んでいることなどを紹介した。今回は徐重仁に「アフターコロナで世界はどう変わるのか」について話してもらった。
「まず消費者のライフスタイルが変わります。台湾も日本もどの国もそう。重要なのは、ライフスタイルも顧客のニーズも、それぞれ国によって違う点。原点に戻って、自国の顧客や業者がどう変化するのかが押さえるべき最初のポイントになります」
消費者のライフスタイルや流通市場が激変したアフターコロナで生き残るために、コンビニエンスストアはどのような進化を遂げなければならないのか。徐は「3つの新たな取り組み」を挙げた。
1つ目は「ネットショッピングとリアル店舗の組み合わせ」。高齢者をはじめコロナ禍での外出を避けている人たちは、ネットショッピングの商品を複数の宅配業者から受け取ることにリスクを感じている。一方、スーパーなどでの不特定多数との接触を避けるため、食事や生活必需品といった最低限の買い物を近所のコンビニで済ませる人も出てきたという。そこで「アフターコロナのコンビニは、ネットショッピングと積極的に組んで、力を合わせる。いわば『リアルとバーチャルの連結』です」と徐は話す。
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