独自のマーケティングとブランディングで、台湾初のコンビニ弁当の商品開発を成功させた徐重仁氏が、次に取り組んだのは「プライベートブランド」だった。そこには台湾セブン―イレブンの商品展開で、日本よりもかなり遅れていた、台湾のパッケージデザインのレベルを引き上げるという狙いもあった。
台湾のパッケージデザインのレベルを上げたい
2001年の「國民便當」の大ヒットに続き、翌年、台湾で人気の阿里山観光の目玉だった「奮起湖の駅弁」の知名度を利用した「奮起湖便當」もヒットした。その結果、台湾セブン―イレブンは、それまでなかった「弁当をコンビニで買う」という新たな消費行動を、人々に広く浸透させた。
これらの成功によって徐は、商品開発における消費者の潜在的なニーズを先取りするマーケティングと、消費者の購買意欲を刺激するブランディングの重要性を意識するようになった。
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そんな徐が次に着目したのはプライベートブランドの開発だった。05年に第4000号店がオープンした台湾セブン―イレブンを含め、台湾ではどのコンビニもプライベートブランドを展開していなかった。
「プライベートブランドをつくろうと思ったのは、当時、米国と日本のスーパーで見かけたのがきっかけでした。台湾セブン―イレブンは店舗数が多かったので、プライベートブランド商品はうまくいくと考えたのです」
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