なぜ、徐重仁は台湾セブン―イレブンを世界屈指のレベルにまで発展させることができたのか。出店戦略、フランチャイズ戦略と並び、コンビニエンスストア事業を成功させるために必要不可欠な商品開発戦略で、徐がどんな取り組みを打ち出してきたのか、検証する。(本文敬称略)

ファストフードを取り入れたかった徐は、日本のセブン―イレブンで人気だった「おにぎり」に目を付けた ※画像はイメージ(写真提供:DutchMen/Shutterstock.com)
ファストフードを取り入れたかった徐は、日本のセブン―イレブンで人気だった「おにぎり」に目を付けた ※画像はイメージ(写真提供:DutchMen/Shutterstock.com)

ファストフード売り上げを伸ばす日本に続け

 標準SKU(商品管理の最小単位、品目)が2500~3000アイテムのコンビニの場合、陳列できる商品には限りがある。そのため「商品開発」は来店客数や来店頻度、ひいては売上高に大きく影響する。この商品開発に関して徐には揺るぎないポリシーがあった。

 「商品開発は『お客様のニーズ』から見ること。何が欲しいのか、何が必要なのか。おいしいものか、便利なものか。大事なことはお客様の立場で物事を考えられるかどうか、お客様にたびたび訪れたいと思ってもらえるかどうかです」

 徐がこのポリシーを持つに至るまでには、さまざまな試行錯誤があった。

 赤字が膨らみ一度は親会社のコンビニ部門に“格下げ”となった台湾・統一超商だったが、1986年に第100号店のオープンとコンビニ事業初の黒字化を達成し、再び独立した。翌年、社会人経験が10年に満たないまま同社の社長となった徐は、台湾セブン―イレブンのオリジナル商品開発に着手した。

 徐が求めていたのは「ファストフードの充実」だった。米国のセブン―イレブンでもサンドイッチやハンバーガーなどのファストフードを販売していたが、手本にしたかったのは日本のセブン―イレブンだった。

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