米ラスベガスで開催中の世界最大のデジタル技術見本市「CES」。世界中のスタートアップが集うエウレカパークで異彩を放っていたのが、フランスパビリオンだ。アイデアとデザインを高次元で両立させた「フレンチテック」の数々がベールを脱ぎ、人々の目を釘付けにした。
フランスからCESに乗り込んだのは、総勢160社。「フレンチテック」を合言葉に、国内11地域から有望なスタートアップが集結した。
フレンチテックの世界へと誘う入り口にブースを構えたのは「my food(マイフード)」。自宅で手軽に果物や野菜を栽培できる「スマートグリーンハウス」を持ち込んだ。
4つの天窓が自動で開き、温度や湿度を調整。温室内の生育状況はスマホアプリ上でリアルタイムに確認できる。
「Don't just listen. Feel the sound.(聴くだけじゃない。音を感じるんだ)」と手渡されたのは、BassMe(バスミー)が開発した肩掛け式のスピーカー。胸にダイレクトに音の振動が伝わる設計で、文字通り音を体で感じられる。ヘッドフォンと組み合わせると、まるでライブ会場にいるかのようなバイブレーションを全身に感じた。
創業120年を超すアロマメーカー「Maison Berger Paris(メゾン・ベルジェ・パリ)」は、「スマートフレグランスディフューザー」というべきアイテムを形にした。
丸みを帯びたフォルムのデジタル時計ではない。上部の穴にカプセルを入れると、香りとライト、メロディーで爽やかな目覚めを演出する。朝だけではなく、深い眠りへと誘う夜用の香りカプセルも用意。本業とテクノロジーをうまく組み合わせた見事な提案だった。
メゾン・ベルジェは19年3月、同じフランスのスタートアップBescent(ビーセント)を買収。香りで目覚める時計は元々ビーセントが生み出したアイデアで、「香りの老舗」とのコラボでさらに製品としての完成度が上がった。
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