米ラスベガスで開催中のデジタル技術の見本市「CES」で、立ち見が絶えないブースがあった。オムロンだ。注目の的は、卓球ロボット「PORPHEOS(フォルフェウス)」。最新のAI(人工知能)を搭載した第6世代を、世界初公開した。人とマシンの真剣勝負を越え、感情をも読み解けるほど進化していた。
CESのメイン会場の一つラスベガス・コンベンション・センターで、ラリーを繰り広げる人とロボット。卓球コートの上部には大型ディスプレーがあり、ボールの軌道や返球スピードなどがリアルタイムで表示される。
しばらく眺めていると、「MOTIVATION ANALYSIS」という画面に切り替わった。Happy、Sad、Relaxed、Angryという言葉と共に、目がハートマークの顔文字が描かれている。対戦相手の感情をリアルタイムで分析しているのだ。
感情が読めるようになったのは、ゲーム大手のスクウェア・エニックス(スクエニ)と始めた共同研究の成果だ。題して「人のモチベーションを高めるAI」。プレイヤーごとにゲームの展開や難易度を変化させるという、スクエニが長年のゲームソフト開発で培った「メタAI技術」を、卓球ロボットに応用した。
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