デンマークのコペンハーゲンに、ビジネス界で活躍する多くのクリエイティブ人材を排出するデザインスクールがある。 それがCIIDだ。日本で初めて開催した「CIID Winter School」(電通と共催)で来日したサイモン・ヘルツォーク氏は、人間を中心にするだけでなく、環境・社会を中心にしたデザイン思考が重要だと言う。
CIID(Copenhagen Institute of Interaction Design) Head of Professional Programmes
CIID(Copenhagen Institute of Interaction Design)で教えているデザイン思考は、他のデザインスクールと何が違うのでしょうか。
一般的にデザイン思考というと、人間中心のアプローチという文脈で捉えられることが多いと思います。CIIDでは人間中心だけでなく、環境・社会を中心に据えたアプローチを実践しています。このため取り組むテーマに大きな特徴があります。
例えば、国際連合にある事業運営などに特化した「国連プロジェクトサービス機関(UNOPS)」と一緒に、持続可能な社会とはどうあるべきかをテーマに、プロジェクトに取り組んでいます。そのためスクールの授業もSDGs(持続可能な開発目標)に沿って構成しています。
また、デザインの概念を机上で学ぶだけではなく、得た知識やスキルを現場で活用できるようにしています。スクールの講師の中には、実際にビジネスの現場でデザインを生かしている専門家もいます。そうした講師がワークショップをするので、実践的な授業になります。
インキュベーターとしての役割も
他には、どんなことに取り組んでいるのですか。
CIIDは教育だけではなく、インキュベーターの機能も持っています。教育とは別に、多様な人材や組織ともつながっており、いずれもSDGsをテーマとしています。そのためインキュベーターとしてデンマーク政府をはじめ、公共機関とのプロジェクトも手掛けています。
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