東急不動産は、2021年4月採用に向けた就活イベントでデザイン思考の試験を大学生に実施するなど、創造力の高い人材を獲得しようと工夫している。VISITS Technologies(東京・千代田)のオンラインサービス「ideagram(アイデアグラム)」を用い、アイデアの質を数値化し客観的に判断した。

ideagramの画面例。数値で可視化できるため、誰が創造力が高いかなどが分かりやすい。アイデアの質とデザイン思考力を独自アルゴリズムで評価している。このグラフの場合は、縦軸に「ユーザーの課題発見力」を、横軸で「ソリューション創造力」を表現している(画像提供/VISITS Technologies)
ideagramの画面例。数値で可視化できるため、誰が創造力が高いかなどが分かりやすい。アイデアの質とデザイン思考力を独自アルゴリズムで評価している。このグラフの場合は、縦軸に「ユーザーの課題発見力」を、横軸で「ソリューション創造力」を表現している(画像提供/VISITS Technologies)
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 ideagram はVISITS Technologiesが開発したアルゴリズム「コンセンサス・インテリジェンス(CI)技術」により、アイデアの質を偏差値として数字で評価。誰のアイデアが最も優れているかを客観的に判断できるようにした。

 経営環境が激変するなかで、どの企業も今までにない創造力を求めている。そうしたスキルを持った人材を見つけるために面接やグループディスカッションなどを行い、1 人ひとりの特性を見極めようとしてきた。だが創造力を判断する明確な尺度がなかったため、面接担当者の定性的な判断に頼らざるを得なかった。これでは創造力の高い人材を確保できたかどうかが明確とは言い難い。

 「従来の採用手法に加え、今回は新しい試みとしてideagram を利用し、今までよりも踏み込んで大学生の創造力を判断しようと考えた」と東急不動産の人事部人材開発グループの松原萌氏は言う。

 東急不動産が求めるのは、コミュニケーションやリーダーシップの能力を発揮し、さまざまなアイデアや関係者をまとめてプロジェクトをけん引できる人材。そうした素養はイノベーション創出のデザイン思考と共通する部分があると考えて、ideagramに着目した。

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