米スタンフォード大学のビル・バーネット氏は、デザイン思考の手法を生かして「自分の人生をいかにデザインするか」をテーマにしたワークショップを米国で開催している。社会人などが参加し、人気講座になっているという。デザイン思考は仕事だけではなく、人生まで豊かにしてくれるのかもしれない。

ビル・バーネット氏は、米アップルを含む複数の企業でプロダクトデザイナーとして仕事をした後、現在はスタンフォード大学デザイン・プログラムのエグゼクティブ・ディレクターを務めている他、学部と大学院でデザインを教えている(写真/丸毛 透)
ビル・バーネット氏は、米アップルを含む複数の企業でプロダクトデザイナーとして仕事をした後、現在はスタンフォード大学デザイン・プログラムのエグゼクティブ・ディレクターを務めている他、学部と大学院でデザインを教えている(写真/丸毛 透)

米スタンフォード大学のデザインスクール(d.school)は、デザイン思考ブームの立役者ともいえる存在です。その手法を人生設計に用いるという発想はどこから生まれたのでしょうか?

当大学でのデザイン思考の取り組みは2006年からスタートし、19年でもう14年になります。これまで多くの学生を育成してきましたが、私と同僚のデイヴ(『スタンフォード式 人生デザイン講座』共著者のデイヴ・エヴァンス氏)はあるとき、学生たちが将来の進路をどう選ぶべきかを迷っていることに気づきました。

 そこで悩める学生6人に声をかけ、週2回の夜間プログラムとして「人生」をテーマにしたデザイン思考の講座を始めました。それが終わる頃に学生たちからは「これで終わりにしたくない」「今まで誰も、こういう話をしてくれなかった」という声が出てきたのです。

 それまで彼らが受けていたのは「情熱を注げることを探せ」「一生打ち込めるものを」といった、雲をつかむようなアドバイスばかりでした。学生たちはこういうプログラムを求めていたのです。