米ラスベガスで開催された「CES 2020」から得られた知見を専門家がリポートする本特集。第1回は、電通で事業およびイノベーション支援を手がける森直樹氏による分析。同氏は「テクノロジーは人間に寄り添い、体験を変革する。“ピープル”に焦点が当たったCESだった」と総括する。そのワケとは?
2020年のCESは、まさに次の10年を占う年となったといえるだろう。CESの主催団体であるCTA(全米民生技術協会)は、これまでの10年間を全てのモノがインターネットにつながる「IoT(Internet of Things)」の時代だったと総括した上で、次の10年は「Intelligence of Things」(“モノが持つ知性”、あるいは“知性を宿すモノ”)だと提唱した。CES開幕前に行われる多くの企業の記者発表や、基調講演においても、次の10年を見据えての発信がなされていた。
そんなCES 2020だが、要素技術の側面では、AI(人工知能)・5G・XR(AR、VRなど)、そしてロボティクスといったものが注目された。特にAIが主役であったといっても間違いないだろう。ただ、そうした要素技術とは別に、今後の大きな潮流ともいうべき1つの大きなテーマが存在していたと筆者は考えている。
それは、「人間に寄り添う」ということだ。“ピープル”に主眼を置いていることが特徴であり、導き出せるのは“体験”というキーワードだ。こんなにも“人間”と“体験”に多くの言及がなされたCESは、これまでなかったのではないだろうか。
本稿では、昨年に引き続きCESで発信を強めているP&G(関連記事「P&GがCESに初出展したワケ」)をはじめ、基調講演に登壇したデルタ航空、サムスン電子といった米国市場に大きな影響力を有する巨大企業の経営者の発信を中心にリポートしたい。
P&Gの「建設的な破壊的革新」とは?
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