全米小売業協会(NRF)が主催する小売り分野の大型イベント「NRF 2020: Retail's Big Show & Expo」。実は今回最も混み合っていたのが、スタートアップの展示ゾーンである。50社以上が実機やサービスをデモするなどで熱気を帯びていた。ソリューションの目的別に一気に紹介する。
今回の参加で多かったのは、顧客に働きかけて購入を促すソリューションだ。デジタル技術の融合で新たな買い物体験を提供し、需要を引き上げる狙いだ。
アバターが洋服を“勝手に”試着
ロシアのテクセル(Texel)は顧客個別の体型のアバターを生成し、AI(人工知能)が分析してそれに似合う、スタイルや色、サイズの洋服を提案するサービスを披露していた。
スマホアプリを利用して、自分の正面と側面の2枚の写真を撮影して送信するだけで、アバターを生成し、お薦めの洋服を教えてくれる。筆者は白のシャツと黒のパンツを勧められた。ただ、これ以外のコーディネートを試そうとしたが、デモ版のようでできないようだ。なお、普段は10分程度でアバターを生成できるとのことだが当日は処理が相次いだためか半日後にアバターが送信されてきた。
スマートミラーで化粧品や洋服を仮想試着
鏡をデジタルで高機能化したスマートミラーは1つのトレンドになっている。米メモミ(Memomi)はデパートなどの売り場で利用するスマートミラーを展示している。AIとAR(拡張現実)を利用して、実際に製品を使ったイメージを画像合成して鏡に映し出す。
例えば、化粧品であれば自分の好きな色の口紅を塗らないで試せ、AIによるレコメンドで似合う色を教えてもらうことができる。洋服やメガネ、靴などでの利用も想定する。顧客にとっては気軽に多くの製品を試すことができ、メーカーにとっては顧客がどのような製品やカラーなどに興味を持っているのかデータで把握できるようになる。
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