全米小売業協会(NRF)による小売事業者向けイベント「NRF 2020: Retail's Big Show & Expo」では、小売りのデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するサービスが数多く展示されていた。中でも目を引いたのが、AR(拡張現実)やドローンを活用した店舗支援サービスだ。これまで、小売りではあまり取り入れられていなかった技術の活用が進んでいる。

スイスのスキャンディットはAR(拡張現実)を活用して、スマートフォンでバーコードを読み取るだけで在庫の有無を確認したり、アレルギー成分の有無を調べたりできるサービスを展示
スイスのスキャンディットはAR(拡張現実)を活用して、スマートフォンでバーコードを読み取るだけで在庫の有無を確認したり、アレルギー成分の有無を調べたりできるサービスを展示
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 企業向けのソリューションで2019年の展示と比較して大幅に減少したのが、顔認証で入店しレジ不要で決済する「Amazon Go」型店舗開発の支援サービスだ。19年は複数の企業が出展していたが、20年は大手企業を含め、見かけることはほとんどなかった。その半面、キヨスク端末と呼ばれる、店頭に設置するセルフ注文端末が大幅に増えた。

 キヨスク端末はキャッシュレスが進む米国や中国では既に生活に浸透している。マクドナルドは米国で9000店舗に導入しており、日本国内でも一部の店舗に導入が進んでいる。無人店舗という夢物語を語るより、キヨスク端末を活用したレジレスへ。省力化に対して、より現実的な支援策を提供する方がカネになるという、ソリューションベンダーの思惑が透けて見える展示会となった。

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