公衆無線LAN(Wi-Fi)のアクセスポイントで捉えたユーザーの位置情報を活用し、来店数を検証する。そんなWi-Fiを活用したジオマ(位置情報マーケティング)が広がっている。年間来場者200万人超のサンリオピューロランドでは、Wi-Fiジオマ経由の来場者が10%に到達。着実な成果を出している(関連記事:「場所」から顧客を理解するジオマーケティング)。

サンリオピューロランドでは、Wi-Fiのアクセスポイントの通信記録を活用し、モバイル広告を見た人がどれだけ来場したかを検証している
サンリオピューロランドでは、Wi-Fiのアクセスポイントの通信記録を活用し、モバイル広告を見た人がどれだけ来場したかを検証している

 パステルカラーの橋を渡り、大きな虹と西洋のお城のような屋根を形作った入り口をくぐると、中にはハローキティをはじめキャラクターたちの世界が広がる。家族連れや若い女性が次々と通り過ぎるゲートの棚で、ひっそりと電源ランプを光らせている機器がある。Wi-Fiのアクセスポイントだ。

 サンリオピューロランド(東京都多摩市)ではこのWi-Fiのアクセスポイントを使って、モバイル広告を見た人が来場したかを検証する取り組みを2018年から始めている。導入のきっかけは、ネット広告の効果を定量的に測定できず、社内でのアピール手段がなかったこと。

 「本当にマーケティングはうまくいっているのか」。イベントやキャンペーンを企画し、スマホ向けの広告を出すと、来場者の数はある程度上向く。それでも上司や別の部署から問われたときに「仮説以上の材料を示すことができなかった」(サンリオエンターテイメント 営業部 マーケティング課 課長代理の志賀優子氏)という課題があった。

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