アスクルの商品開発の裏側に迫る本連載。今回取り上げるのは、脱プラスチックムーブメントを受け、話題を集める紙パック飲料だ。2019年の第1弾として大容量の水を投入したのに続き、21年には大幅にラインアップを拡充。綿密なユーザー調査から見えてきたニーズとは。
2021年2月、アスクルはPB(プライベートブランド)紙パック飲料の大幅刷新を断行した。19年8月から発売しているミネラルウオーターの改良に加え、麦茶や低果汁飲料を新たに追加。紙パック飲料をシリーズ化し、本格展開に乗り出した。
そもそも、アスクルが19年に紙パックウオーターを開発するきっかけとなったのは、ミネラルウオーターを取り巻く社会環境と、ユーザーからの要望が高まったことがある。東日本大震災以降、ミネラルウオーターの需要は高まり、アスクルでも前年比2桁成長を続けていた。加えて、「ここ1、2年で海洋プラスチックの問題が盛んに取り上げられ始め、ペットボトルを避けたいと考えるユーザーが増えてきた」と、開発を担当したマーチャンダイジング本部 生活用品統括部 飲料担当の早川裕之氏は話す。
業界の先陣を切って、大容量紙パックウオーターの開発へ
こうした社会的な背景を踏まえ、アスクルではペットボトル商品のラベルレス化などを推し進めていたが、紙パックの飲料は容器のコストが高く採算面で不利になるため、開発には慎重な姿勢を取らざるを得なかった。
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