ボディーマス指数じゃない! もう1つの「BMI」

【ディープフェイク】

 AIや機械学習などの先進テクノロジーが生活を豊かにし、ビジネスを加速させる一方で、そうした技術が悪用されるケースも増えてきている。特に、人物の顔など、写真や動画の一部を差し替えて偽の映像を作り出す「ディープフェイク」は、ディープラーニング(深層学習)を利用することで急速に高度化しており、本物の映像と見分けがつかなくなりつつある。政治家や著名人に虚偽の発言をさせるような政治的動機のフェイクニュース的な動画も登場してきており、社会的なリスクと化している。

 AI技術の進化に合わせ、検出できないほどリアルなディープフェイク動画が出現すると考えられており、法の整備を含め迅速な対応が求められている。19年9月には、Facebookがマイクロソフトなどと共同で、機械学習を通じてディープフェイクを検出するツールの開発を目指す「Deepfake Detection Challenge(DFDC)」の立ち上げを発表するなど、問題解決のための動きも活発化している。

【ハイパー オートメーション】

 「オートメーション(自動化)」は、これからのテクノロジー活用を考えるうえで欠かすことのできないキーワードといえる。RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を導入して定型業務の自動化を図る企業は増加傾向にあるが、米ガートナー社が発表した20年の戦略的テクノロジートレンドのトップ10に選ばれた「ハイパーオートメーション」も今後注目すべきキーワードだ。

 ハイパーオートメーションはRPAをさらに拡大したもので、AIや機械学習を利用し、これまで人が行っていた作業をRPAにより幅広く自動化する。検出、分析、設計、測定、監視、再評価を含む高度な自動化を実現し、人手の必要な作業のデジタル化、すなわち「デジタルツイン」(現実空間と同じものを仮想空間にコピーしたもの)を作成する。自動化範囲の拡大や、自動化ツールの相互連係などがポイントとなり、エッジコンピューティングなどのテクノロジーと組み合わせることで、新時代のオートメーションが実現する。

【BMI】

 脳の活動を利用して機器の操作などを行うBMI(Brain Machine Interface:ブレイン・マシン・インターフェース)は、1970年あたりから研究が進められてきた技術だが、2000年代に入ってから世界的に投資が拡大。医療・ヘルスケア分野はもちろん、教育や生活など様々なシーンで活用できるテクノロジーとして注目を集めている。人工義手、人工内耳、人工網膜など人体の機能補完・強化や、脳波から音声やテキストを出力するといったサイエンスフィクションのような活用までが実現しつつある。現在は難病治療など医療分野での活用が先行しているが、ロボット工学やセンサー技術の進化と連動することで、他の分野でも革新的なイノベーションを生み出す可能性を秘めている。

【ヒューマン オーグメンテーション】

 東京大学教授でソニーコンピュータサイエンス研究所副所長の暦本純一氏が提唱したコンセプトである「ヒューマンオーグメンテーション」は、人間の能力をテクノロジーによって増強・拡張させるもので、「人間拡張」とも呼ばれる。仮想現実(VR)や拡張現実(AR)、情報テクノロジー、ロボット技術、AIなどを活用して、人間が本来持っている能力を拡張する。拡張対象は身体能力(外骨格、義手・義足など)から知覚(視覚や聴覚の強化、感覚置換など)、認知能力(三人称視点への変化など理解・習得プロセス全体の拡張)、存在(テレプレゼンスのような遠隔地からの作業など)など多岐にわたり、障害者や高齢者のサポートにも活用される。

 製造現場でウエアラブルデバイスを装着して安全性を向上させたり、サービス業などで顧客に新たなユーザー体験を提供したりと、ビジネスでの利用も期待されている。

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