※日経トレンディ 2020年1月号の記事を再構成

2020年、2021年……近未来の日本の姿を、厳選したキーワードから予測する特集の1回目は、「MRスマートグラス」を取り上げる。日常の風景を一変させるテクノロジーとは。

MRスマートグラスで街の風景が変わる
1 公園や既存の施設をMRでテーマパーク化するサービスが一般的に
2 5G普及で「スマホの次」の定番デバイスになる?

 何気ない日常の風景が、“眼鏡”を掛ければテーマパークに早変わり――。各社が開発中の「MR(複合現実)スマートグラス」は、普段の生活を一気に充実させる可能性を秘めている。

 「MR」は単純に言えば、コンピューターが生成した3次元映像などを、現実世界の風景と一緒に楽しめる技術だ。「Oculus Go」など専用端末の登場で、VRはかなり身近になり、ゲーム以外に、アーティストのライブやスポーツ中継など、コンテンツの種類も増えてきた。しかし、VR専用ゴーグルには、掛けていると周りが一切見えない弱点がある。「スポーツ観戦中にビールを飲みたくなってもVRだとできない、などの声がある」(NTTドコモXRビジネス推進担当部長の岩本和久氏)のは残念だ。

 この問題を解消し、日常的に使える可能性があるのが、眼鏡型のMRスマートグラスだ。半透過型のレンズ部分に映像を投写することで、実際の世界に立体映像を重ねて見られる方式が主流。身体や家具の位置、眼球の動きを測るセンサーなどを搭載したモデルなら、「3次元CGのキャラクターが、部屋の物陰に隠れる」といった動きもリアルに再現できる。

■周りを認識できるので日常使いもしやすいMR
■周りを認識できるので日常使いもしやすいMR
コンピューター映像などを現実と重ねることで、新しい体験ができるのはどちらも共通。現実世界が主なら「AR」、仮想映像が主なら「MR」と呼ぶことが多い(写真/PIXTA)

 2019年には、「nreal light」(エンリアル)のように、サングラスとそれほど変わらない外見の製品も登場。見られる映像の大きさ(視野角)やバッテリー駆動時間、価格などにまだ課題はあるが、これらをクリアした製品が10年以内に登場する可能性は高い。

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