2020年3月27日に発表された『ブランド・ジャパン2020』。今回は、その結果と20年間のランキングを振り返ってみたい。ブランド・ジャパンの総合力トップ10を過去にさかのぼって分析すると、ときどきに元気だった企業と産業の変遷が見えてくる。家電や自動車から、流通・飲食へ、そして現在のデジタル&エンターテインメント。世の中の変化が浮き彫りになる。
『ブランド・ジャパン2020』(一般生活者編)では、YouTubeがついに総合力トップに輝いた。一般生活者編ではブランドを「フレンドリー(親しみ)」「コンビニエント(役立つ)」「アウトスタンディング(個性や魅力)」「イノベーティブ(革新性や注目度)」の4因子で総合的に評価する。
YouTubeはフレンドリーが6位、コンビニエントが2位、イノベーティブが2位という高い評価を得た。総合2位はLINE、6位がGoogle、7位がアマゾンと、デジタル・ネット系企業ブランドが上位に入ったのが今年の特徴。だが、20年ほど前に目を転じると別の風景が見えてくる。
「ブランド・ジャパン2002(以下、年号のみで表記)」では、トップはソニーだった。その他、パナソニックやホンダなど家電、自動車が強かった。
ソニーの変遷を見ると、「2003」でも1位、その後も2位、1位と「2010」まではトップ10内をキープするが、「2011」で12位に転落すると、その後は「2014」の2位を除いては20位以下を低迷。最近では「2018」の14位が最高だ。ホンダは「2007」以降、20位以下と低迷。トヨタ自動車も「2009」以降、一時的にトップ10に入るが、「2020」で68位と沈んだままだ。
家電・自動車などの製造業に代わって台頭してきたのが、流通や飲食などのサービス業だ。マクドナルドは「2010」で7位となり、「2012」までトップ10を維持。セブン-イレブンは「2015」で1位に輝いた。
「2007」で初めてGoogleが2位とトップ10に入ると、急速にデジタルやエンターテインメントのブランドが勢いを増してくる。
Googleは「2009」以降、連続して上位に位置し、「2011」と「2018」で1位となった。YouTubeは「2011」で7位と圏内に入ると、「2018」を除いて上位を占め、「2020」で1位となった。アマゾンは「2014」で4位になると、以降強さを見せ、「2016」と「2019」で1位となった。この他、楽天市場も「2011」からトップ10入りした。圏外ではあるが、クックパッド、メルカリなどのブランド評価も高まった。
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