若手キーパーソンが、2020年とその先のトレンドを占う本特集。最終回は、レシート買い取りサービス「ONE(ワン)」を運営するワンファイナンシャル(東京・千代田)のCEO(最高経営責任者)である山内奏人氏。18歳の若き経営者は、「魔法のようなプロダクトを提供したい」と話す。

山内 奏人(やまうち そうと)氏
ワンファイナンシャルCEO
2001年生まれ。東京都出身。16年5月ウォルト(現ワンファイナンシャル)を設立。10歳でプログラミングを独学で習得し、12年には「中高生国際Rubyプログラミングコンテスト」の15歳以下の部で最優秀賞を受賞。18年3月、米経済誌フォーブスのアジア版「30 Under 30 Asia 2019」のFINANCE&VENTURE CAPITAL部門とYOUNGEST部門で選出される。20年1月、社名をWED(ウェッド)に変更予定。

 18年6月、レシートという紙切れに“価値”という命が吹き込まれた。レシートを撮影しアプリ上にアップロードすると、どんなレシートも1枚最大10円で買い取ってくれるサービス「ONE」がそれだ。サービス開始直後は予想以上の反響で、1日でサービス停止を余儀なくされた。1週間後にサービスは復活し、直近約13カ月でのレシート累計買い取り枚数は1億枚を突破した。このサービスを運営するのが、ワンファイナンシャルだ。

 19年1月には、蓄積されたレシートのデータを元に、企業向けの分析サービス「ONE insight(ワンインサイト)」を始めたと発表した。特定の商品が買われた時間や曜日、買った人の年齢や性別、年収などを分析できる。これまでのPOSデータなどと違い、店舗や決済手段の垣根を越えてデータを収集・分析できるのが特徴。

 例えば商業施設を新しく建てる際、その施設の予定地近くでどういった購買がされているのか、その人たちはどういった購買行動をしているのかを、同社が持つデータを活用して事前に分析する。そこからどんな店舗が求められているのか、特定の層を取り込むにはこういったお店を誘致すればよい、などと推測できるという。

 ミレニアム世代に続く「Z世代」の経営者、山内氏は今後どんな挑戦をしていくのか。話を聞いた。

20年はどんな年になるのでしょうか。

AI(人工知能)をどう使うのか、AIでできないことをどう補完するのかに、焦点が当たると思います。今、AIは何でもできると思っている人が多過ぎます。ディープラーニングやマシンラーニングといった技術をどこに使うのか、成果物(データなど)をどう使うのかが、今後重要になってくるでしょう。

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