若手キーパーソンが、2020年とその先のトレンドを占う本特集。2回目は、出張撮影サービスを展開するラブグラフ(東京・目黒)のCEO(最高経営責任者)である駒下純兵氏。19年4月に米経済誌フォーブスのアジア版「30 Under 30 Asia 2019」のアート部門で選出された駒下氏は、未来をどう見ているのか。

駒下 純兵(こました じゅんぺい)氏
ラブグラフCEO
1993年生まれ。大阪府出身。2015年2月ラブグラフを設立。カップルや夫婦、家族のデートにプロのカメラマンが同行し、写真や動画を撮影するサービス「Lovegraph(ラブグラフ)」を展開。これまでの利用者数は約1万7000組、撮影データは150万枚以上にものぼる。19年4月、米経済誌フォーブスが発表したアジアを代表する30歳未満のキーパーソン30人を発表する「30 Under 30 Asia 2019」のアート部門に選出される。

 多くの人がスマートフォンを持ち、いつでもどこでも写真を撮れるようになった。だがその結果、家族写真なのに1人欠けている。恋人との写真は、ほぼ自撮りで寄りの写真しかない、こんな経験は無いだろうか。プロに頼むときは写真館まで足を運び撮影するが、高価で頻繁に撮るのはハードルが高い。

 そんなニーズをつかみ、プロのカメラマンが出張で撮影するサービスを展開するのがラブグラフだ。利用者が指定した場所にプロのカメラマンが出向き、写真撮影をする。事前に撮りたいイメージや服装をカメラマンと打ち合わせし、さまざまなシーンで撮影が可能。現在6割が家族、2割がカップルの撮影で、最も需要が多い撮影シーンは七五三だという。

 料金は、ライトプランが9800円(税抜き、以下同)、スタンダードプランが2万3800円、プレミアプランが3万2800円。ライトプランは受け取れる写真データが10枚で、撮影場所が東京の昭和記念公園など全国の都市圏の一部のエリアに限定されている。スタンダードプランはデータが75枚以上、プレミアプランは100枚以上でさらにフォトブックが付く。他にも、1年間に3回撮影でき、3回分の撮影をまとめたフォトブック付きの1年間寄り添いプラン(6万9800円)などがある。

 「安心して頼んでもらえる体制を作るため、カメラマンの採用率は1%」(ラブグラフCEOの駒下純兵氏)の狭き門で、現在約400人がカメラマンとして登録されている。自社で写真教室も運営し、カメラマンの育成にも力を入れる。自身もカメラマンである駒下氏は、どんな未来を描いているのだろうか。

2020年は「価値観がアップデート」される年

2020年はどんな年になるのでしょうか。

「価値観のアップデート」が行われる年になると思います。例えば、所有するより所有しないという流れもその1つです。

 深掘りしていくと、「もっと豊かになりたい」という価値観では無くなってきています。今までは、もっとお金持ちになりたい、もっと良い家に住みたいという所有することが良いとされる価値観でした。今は、自分の手の届く範囲をどうやって良くするのかといった所有に依存しない価値観が良いとされています。

 SNSが登場し便利になった半面、誰かと比較しやすい世の中になったと思っています。これまでは自分のスキルを上げたり、年収が上がったりすることが幸せだと感じられていた。しかし、SNSによって自分と同い年の人の活躍がすぐ伝わってきたり、見ず知らずの人の活動を一瞬で知ったりするようになりました。実は現状自分自身は幸せなのに、誰かと比較して幸せではないとか、反対に自分より劣る人を見つけて幸せを感じてしまう、“幸せの相対化”が進んでしまっていると思います。

 誰かと比較して幸せを考えるのではなく、自分にとっての幸せとは何なのか、こういったことに対して向き合う世の中になってくると思います。そういう意味での価値観のアップデートが、今後起きると思います。

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