若手キーパーソンが、2020年とその先のトレンドを占う本特集。1回目は、クリエイティブディレクターとして活動するarca(アルカ、東京・渋谷)のCEO(最高経営責任者)である辻愛沙子氏。人気タピオカ専門店Tapistaのプロデュースをする他、女性の生き方や働き方などを発信するLadyknowsの代表としても活動。「社会派クリエイティブ」を掲げる彼女は、20年のキーワードとして「越境」を挙げた。

辻 愛沙子(つじ あさこ)氏
arcaCEO兼Ladyknows代表
1995年生まれ。東京都出身。2017年4月エードット(カラス)に入社。19年10月にエードット内のグループ会社として、arcaを設立。社会派クリエイティブを掲げ、「社会性のある事業」と「世界観にこだわる作品」の両軸で、広告やブランド、空間などを企画・プロデュースしている。日テレ系情報番組「news zero」にレギュラー出演するなど活動の幅を広げている(関連記事「現役女子大生仕掛け人」辻愛沙子が語るSNSで拡散させるコツ」)

 タスク化された健康診断をなんとか楽しいものにしたい――。2019年10月、自ら足を運びたくなる、写真映えする健康診断“フェス”が開催された。

 5日間限定で開催された「Ladyknows Fes2019」は、ピンクや紺色のかわいらしい空間で、楽しみながら健康診断をしたり、女性の体について学べたりするのが特徴。一般的な健康診断の検査項目の身体測定や視力検査はもちろん、パーソナルカラー診断や頭皮チェックなど「Beauty Doc」という美容系の診断も同時に受診できた。会場となったのは、結婚式場だ。

左)羽根のついた身長計は、思わず友人と写真を撮りたくなる。右)ブランコの座面は生理用品をイメージ。背景の棚の赤い部分が、女性の一生の経血量を表している(写真提供/arca)
左)羽根のついた身長計は、思わず友人と写真を撮りたくなる。右)ブランコの座面は生理用品をイメージ。背景の棚の赤い部分が、女性の一生の経血量を表している(写真提供/arca)

500円で婦人科検診を可能に

 イベントで特に注目を集めたのが「ワンコイン・レディースドック」だ。検診の場を企業のマーケティングに活用することで、1万~3万円ほどかかる検査費用を500円に抑え、誰もが婦人科検診を受診できる仕組みを構築。乳がんと子宮頸(けい)がん検診がワンコインで受診できるチケットは、90人限定で販売され1日で完売。キャンセル待ちが後を絶たなかった。

 大盛況に終わったこのイベントの仕掛け人は、Ladyknows代表の辻愛沙子氏だ。辻氏は社会派クリエイティブを掲げ、クリエイティブディレクターとして店舗デザインや商品開発、プラットフォームづくりなど、さまざまな領域で新しいものを生み続けている。19年10月には企業向けのブランディングや店頭プロモーションなどを企画するエードット内のグループ会社としてarcaを設立した。彼女が描く未来はどのようなものなのか、話を聞いた。

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