今夏米国で開かれた音声テクノロジー業界専門のカンファレンス「VOICE Summit 2019」では、音声アシスタントの世界を体験できるワークショップが多数開催された。その内容は、プログラミングやデザインなど専門職向けのものから、マーケティングやビジネス戦略を取り扱うものまで多岐にわたった。その全貌を2回に分けてご紹介する。
筆者のように音声入力を使ったユーザーインターフェース「VoiceUI」(VUI)のデザインをクライアント向けに提供している身からすると、VOICE Summit 2019では明日からでもすぐに役に立つ実践的なワークショップがとても役立った。今回は、中でもスマホの次を担う音声UIを今後企業が使いこなすうえで役立つ2つのワークショップについてお話ししたい。
音声アシスタントならではの「ペルソナ」とは
まず1つ目は、会期初日の午前中に参加した米グーグルのワークショップだ。同社で「Conversational Designチーム」のヘッドを務めるウォリー・ブリル氏が、「The Google Conversation Design Workshop」と題して開催し、席が足りなくなるほどの人気ぶりだった。
参加者全員にとって会期初日の初っぱなだったということから、会場内は参加者の高ぶる気持ちで満たされていた。
3時間にわたるワークショップの前半は、講義形式だ。音声アシスタントとの対話について「human-centered design(人間中心設計)」のアプローチをいかに設計に取り入れるか、また音声アシスタントのペルソナ(キャラクターの人物像)をどうデザインすべきかの手法を学んだ。
まず、自社のブランドイメージから連想できるアシスタントを考え、キャラクターを設定することが大切だと説いた。そのうえで、どのようなトーンや言い回しを使うかを決めていくべきだとした。一例として航空業界の音声アシスタントを挙げて、大手航空会社と格安航空会社(LCC)ではブランドの違いから異なるスクリプト(台本)を採用していることを示した。
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