テクノロジーを駆使し、新ビジネスに切り込むスタートアップにスポットを当てる連載の3回目。国内外の有望なスタートアップに投資するサイバーエージェント・キャピタル社長の近藤裕文氏が2020年の動きとして予想するのは、製造や生活、働き方など様々な場面で“民主化”の波が押し寄せることだ。

サイバーエージェント・キャピタル社長の近藤裕文氏。2003年、サイバーエージェントに入社。デジタルマーケティングなどコンサルティング業務に従事。新規事業の立上げや博報堂やアイスタイルとのジョイントベンチャーの事業責任者を経験。2013年にサイバーエージェント・ベンチャーズ(現サイバーエージェント・キャピタル)に取締役として参画。18年10月にサイバーエージェント・キャピタル社長に就任
サイバーエージェント・キャピタル社長の近藤裕文氏。2003年、サイバーエージェントに入社。デジタルマーケティングなどコンサルティング業務に従事。新規事業の立上げや博報堂やアイスタイルとのジョイントベンチャーの事業責任者を経験。2013年にサイバーエージェント・ベンチャーズ(現サイバーエージェント・キャピタル)に取締役として参画。18年10月にサイバーエージェント・キャピタル社長に就任

――20年、スタートアップが展開するビジネスで、注目しているテーマは。

近藤裕文氏(以下、近藤) サイバーエージェント・キャピタルでは、インターネット領域に特化した投資を実行しています。そうした中で注目しているテーマは、「D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)」と「サブスクリプション」。どちらも市場が拡大することが予想され、19年は「D2C元年」「サブスク元年」と言えるほど、様々なドメインでサービスが立ち上がりました。20年は更に、進化する年になると考えています。その他にも、「C(コンシューマー)版フィンテック」「働き方の民主化」「日本版信用スコアサービス」「5Gのコンテンツレイヤー」などが、重視すべきテーマになります。

――順番に聞いていきたいのですが、まずD2Cビジネスの現状は。

近藤 D2Cは米国でいち早く立ち上がったビジネスモデルですが、日本でもようやく芽吹き始めたのが今のタイミングです。特に、顕著な分野がコスメティック系。国産のオーガニックコスメを扱う「N organic」(シロク/東京・渋谷)が好例です。ユーザーと強いエンゲージメントを作るため、マーケティングをアウトソーシングせず自社で構築する。製造は厳しくパートナーを選定し、コストを抑え、消費者に高品質な化粧品をインターネットでリーズナブルに届けるD2Cのメリットを最大限に打ち出したモデルです。