デザイン思考の成功と失敗の分かれ目を、IDEO Tokyoが解説する本連載。今回は特別編として、IDEO自身が実践しているリモートワークのコツを聞いた。新型コロナウイルスの感染拡大に対応して広がるリモートワークだが、働き方を見直し、チームのクリエイティビティーを高めるきっかけになるかもしれない。
日経BPのデジタルメディアの読者・会員を対象に実施した「新型コロナ対策テレワーク実態調査」によると、既に75%が「テレワークを利用している」という。新型コロナウイルスの感染が拡大したこの1カ月間、多くの組織で急速に広まった在宅勤務・リモートワークだが、これまでオフィスでやっていたことをそのままオンラインに移行しただけではうまくいかないことも多い。
IDEOは、これはそもそもの働き方や、チーム内のコミュニケーションについて見直し、本質的なことにフォーカスする方法をいろいろ試してみる良い機会だと捉えている。私たち自身が「新しい働き方」をプロトタイプする中で工夫していることを、皆さんにお伝えしたいと思う。
ビデオ会議で心得るべき“5P”
会社で顔を合わせて行う会議では、「その場の雰囲気」や「流れ」が果たす役割が大きい。しかし、そうはいかないのがビデオ会議だ。また、今はそれぞれが置かれている状況が普段とは異なるのだということも認識する必要がある。家事や子供の面倒、介護に追われている人もいれば、1日中デスクワークに集中する環境が自宅に整っていない人もいる。
数年前からリモートワークを推進し、その効果的なやり方について企業にコンサルティングしている米Virtual Work Insiderの創業者兼CEOのサーシャ・コナー氏は、「ビデオ会議こそ事前準備と心構えが重要だ」と説いている。その際、基本となるのが5P(Purpose、Product、People、Process、Prework)についてあらかじめ考えてみることだ。
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