デザイン思考の発信元であるIDEOの日本拠点、IDEO Tokyoの立ち上げからデザイン思考の実践に取り組んできた、同社ビジネスデザイン&ディベロップメント担当シニアディレクターの野々村健一氏。日本企業がデザイン思考を実践しようとする際によくぶつかる壁と、その乗り越え方について聞いた。

野々村健一
IDEO シニアディレクター
慶應義塾大学卒業後、トヨタ自動車に入社し、海外営業や商品企画を担当。その後、米ハーバード・ビジネススクールへ私費留学し、経営学修士(MBA)を取得。IDEO Tokyoの立ち上げに従事し、現在同社シニアディレクター。IDEO共同出資のベンチャーキャピタルファンドD4Vの創業メンバー兼パートナーも務める

日本企業は今まで「絞る」ことにフォーカスしてきたが、新しいものを生み出すことができずに苦労している。その突破口の1つがデザイン思考ということでした。では、次のステップは何でしょう?

今はIDEOとしても、企業に対してはデザイン思考自体を前面に打ち出すことはあまりしていません。すでにクライアント各社でも、デザイナーやUXの専門家を社内に入れるなど、体制とリソースを充実させつつあります。私たちはそうした人材が組織内で力を発揮できる仕組みづくりや、創造性を生かす組織づくりに関わる課題に取り組んでいます。前回(IDEOに聞く 日本には「変化のためのデザイン」が必要だ)お話しした、「変化のためのデザイン」の取り組みですね。

 クリエイティビティーを生かす組織論に特化した研究は、日本だけでなく世界的にもこれからです。IDEOが中国の清華大学と取り組んだプロジェクトでも、経営者にフォーカスしています。クリエイティビティーを経営資源として使えるリーダーが、まだまだ少ないのです。

 クリエイティビティー活用への注目は、世界経済フォーラムでも話題になっている大きな流れで、欧米だけでなく、日本にも必ず来る、来なければならない変化です。

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