※日経トレンディ 2019年12月号の記事を再構成

日経トレンディが選んだ「2020年ヒット予測ランキング」4位は「国民総キャッシュレス」。人気のスマホ決済は、対応する店舗やサービスがさらに拡大。夏場には「マイナポイント」も始まり、国策による“お得”も続く。ダブルの追い風は、キャッシュレス決済を爆発的に広げるだろう。

【4位】スマホ決済第2章 国民総キャッシュレス

利用環境の充実と国の後押しを追い風に普及が加速

 スマホ決済の普及や消費増税に伴って開始されたポイント還元施策などにより、一気に身近な存在になったキャッシュレス決済。しかし、2019年はまだ序章にすぎない。20年にはこれが爆発的に広がり、「国民総キャッシュレス」時代へと突入する。

 19年10月から始まった「キャッシュレス・消費者還元事業」では、中小事業者の店舗でキャッシュレス決済を使うと、5%または2%のポイント還元や値引きが受けられる。同事業の対象となる中小店舗は全国に200万程度あるとみられるが、実は、実際に還元を得られる登録加盟店は現状半分にも満たない。クレジットカードすら使えない中小店舗がまだ多いのが一因だが、今後、スマホ決済の導入ハードルが下がることで、この状況は大きく変わる。

 スマホでコードを提示したり読み取ったりして支払うスマホ決済は、還元率の高さやキャンペーンのお得感などから利用者が急増。「PayPay」や「LINE Pay」などを日常的に使っている人は既に1000万人規模で、使える場所も日増しに拡大している。しかし、伸び代はまだまだ大きい。

 20年には、キャッシュレス推進協議会が策定したコード決済の統一規格「JPQR」の本格展開が見込まれ、スマホ決済が使える店舗の拡大がさらに加速する。1種類のコードで複数のサービスに対応できるため、スマホ決済を導入する店舗の負担が減るからだ。

 決済シーンの広がりは実店舗にとどまらない。PayPayが使える通販サイト「PayPayモール」や「PayPayフリマ」が10月にスタートしたように、オンライン決済の領域でもスマホ決済を使えるサービスが増えていく。タクシーや自動販売機など店舗以外への展開拡大も見込まれる。スマホ決済を使える店舗やサービスが身の回りに次々と増え、得できるチャンスが一段と広がれば、「使わないと損」というイメージが今以上に強まるのは必至だ。