※日経トレンディ 2019年12月号の記事を再構成

日経トレンディと日経クロストレンドが選んだ「2019年ヒット商品ベスト30」23位にクルマの「誤発進防止装置」が選ばれた。相次ぐ「暴走事故」報道で需要が急増。加害者やその家族になりたくないと切に感じた人々を動かし、販売台数は報道前の100倍になった。

【23位】誤発進防止装置

高齢者とクルマを共存させる切り札
後付けの利便性で100倍売れた

 2019年4月、母子2人が死亡した東池袋での自動車暴走事故。悲惨な事故の加害者、あるいはその家族になりたくないと切実に願う人々がこぞって手にしたのが後付けタイプの誤発進防止装置だ。

 オートバックスセブンが販売している「ペダルの見張り番」は、アクセルの異常な踏み込みを検知して急発進を抑制する。3月までの半年間では全店合わせても月平均30台程度しか売れなかった製品に注文が激増。一時は品薄になった。

 供給が追い付き始めた夏には、東京都が装置の購入費用を9割補助する制度を開始。4万円程度する装置を数千円で導入できることから売れ行きがさらに加速し、8月の販売台数は3900台に。実に100倍を超えた。

 サン自動車工業の「S-ドライブ誤発進防止システム2」は出荷台数が前年比80倍を記録。トヨタやダイハツが提供する“メーカー純正”の後付けタイプの誤発進防止装置も注目された。

 相次ぐ暴走事故の報道を受け、運転免許証の自主返納も急増。高齢化社会とクルマの共存は19年に大きな曲がり角を迎えた。

■4月の事故報道をきっかけに需要が激増
■4月の事故報道をきっかけに需要が激増
注)オートバックスセブン提供のデータを基に編集部で作成
オートバックスセブンの「ペダルの見張り番」シリーズは売り場面積を急きょ拡大して展開。人気のあまり5月から7月にかけては一時品薄になった
オートバックスセブンの「ペダルの見張り番」シリーズは売り場面積を急きょ拡大して展開。人気のあまり5月から7月にかけては一時品薄になった
トヨタの装置は前後にセンサーを備える
トヨタの装置は前後にセンサーを備える
サン自動車工業では出荷が前年比80倍に
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サン自動車工業はダイヤルでオン・オフを切り替える仕組み