※日経トレンディ 2019年12月号の記事を再構成

日経トレンディと日経クロストレンドが発表した「2019年ヒット商品ベスト30」8位に「米津玄師」が選ばれた。CD不況の時代に「馬と鹿」が初週40万枚超。「パプリカ」などプロデュース作品も軒並みヒットする、令和の新ヒットメーカーとして台頭した。

「馬と鹿」(2019年9月11日リリース)。CDセールスで記録を作った一曲。山下智久以来ソロで約13年ぶりの初週40万枚超え。ネット上ではYouTubeで作品を公開している。映像と合わせて曲を聴くと、その世界観に没入させられる
「馬と鹿」(2019年9月11日リリース)。CDセールスで記録を作った一曲。山下智久以来ソロで約13年ぶりの初週40万枚超え。ネット上ではYouTubeで作品を公開している。映像と合わせて曲を聴くと、その世界観に没入させられる

【8位】米津玄師

CD不況の時代に圧巻の初週40万枚超
若き「名プロデューサー」の地位も確立

 ユーチューブで楽曲を完全に公開しているにもかかわらず、CDが40万枚も売れる。自身は言うまでもなく、プロデュースしたアーティストまでヒットする。2018年から19年にかけて、稀に見る音楽界の新星が誕生した。

 18年3月にリリースした、TBS系ドラマ「アンナチュラル」の主題歌「Lemon」がヒット。音楽好きの間では既に知られた存在だった米津玄師は、紅白歌合戦での息をのむ荘厳な演出と圧倒的な歌唱力で、万人が知るところとなった。同曲は異例のロングヒットに成長。放送後、週間ダウンロード(DL)数は前週の3倍に増え、デジタルシングル初のダブルミリオン達成など記録を総なめにした。

 極め付きは、19年9月にリリースしたTBS系日曜劇場「ノーサイド・ゲーム」の主題歌「馬と鹿」。ソロアーティストとしては約13年ぶりとなるCDセールス初週40万枚超を記録し、CD不況の時代に圧巻の数字を残した。ネットでは無料で曲を聴けるのにパッケージが売れるのは、「形に残るCDを所有したい」という熱いファンが増えた証拠だ。ヒットメーカーとしての地位を盤石にした一曲になったといえる。

 楽曲制作を始めたのは09年ごろ。当初は、作詞作曲した曲を初音ミクなどのボーカロイドに歌わせ、ニコニコ動画などで作品を発表する「ボカロP(ボーカロイドプロデューサー)」だった。作品の完成度一つでネットからメジャーシーンに駆け上がり、新たなスターダムを確立した功績も大きい。

 さらに、そのあふれる才能は、歌手だけでなく、プロデューサーとしても光る。18年には小中学生男女5人によるユニット・Foorinをプロデュースした。作詞作曲した「パプリカ」は、ダンスMVのユーチューブ再生回数が1億回を突破。19年には、菅田将暉の「まちがいさがし」というヒット曲も生んだ。

■「Lemon」は18年3月発売にもかかわらず、18年10月以降のDL数が何と1位
■「Lemon」は18年3月発売にもかかわらず、18年10月以降のDL数が何と1位
「Lemon」(2018年3月14日リリース)は、米津を国民的アーティストに押し上げた記録ずくめの代表曲。過去最高を更新し続け280万DL突破のメガヒットに。 19年10月時点でなおデジタルシングルチャート上位に入る 注)オリコン調べ。18年10月15日付~19年10月7日付のデジタルシングル(単曲)ランキングTOP10
■紅白後「Lemon」のDL数が急増
■紅白後「Lemon」のDL数が急増
注)オリコン調べ。「Lemon」デジタルシングル(単曲)の紅白歌合戦前後のDL数推移
注)米津玄師の主な出来事をピックアップし編集部で作成
注)米津玄師の主な出来事をピックアップし編集部で作成
プロデュース作品も大ヒット

 18年には小中学生男女5人によるユニット・Foorinをプロデュース。作詞作曲した「パプリカ」は、YouTubeのダンスMVの再生回数が1億回超え。19年8月には、アニメーションのMVと共にセルフカバーも公開。Eテレでも放送されて子供に浸透するなど、話題となった。他にも菅田将暉など多くの曲を手掛ける。


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